米連邦最高裁判所、ロサンゼルスの不法移民への尋問や拘束を認める
(米国)
ロサンゼルス発
2025年09月10日
米国連邦最高裁判所は9月8日、ドナルド・トランプ大統領の主張を支持し、米国に不法滞在していると疑われる人物に対し、米国の移民税関捜査局(ICE)が尋問・拘留できることを認めた、と地元メデイアは報じた。
ロサンゼルス裁判所の命令により、ロサンゼルスでは「巡回パトロール」による容姿、言語、職業、またその場にいたという理由から移民に対する路上での尋問・拘留を行うことは禁じられていたが、これが解除された。
連邦最高裁はここ数週間、説明なしに判断命令を下したことで厳しい批判にさらされていた。最高裁のブレット・カバノー判事は10ページに及ぶ説明を示し、連邦法により「移民税関捜査局は尋問を受けている人物が米国内に不法滞在している外国人であるという『具体的な事実に基づき、合理的な疑いがある場合』には、尋問のためにその人物を『短期間拘留することができる』」と規定されているとした。
カバノー判事は、合法との判断をしたその背景として、「ロサンゼルス地域は不法移民の数とその割合が非常に高い。人々は日雇いの仕事を求めて特定の場所に集まる傾向がある。日雇い労働、造園、農業、建設など、書類手続きを必要としない特定の業種に従事していることが多い。不法移民にとって手続き不要で賃金を得ることができる待遇は特に魅力的である。ロサンゼルス地域に不法に滞在している人々の多くはメキシコや中米出身で、英語をあまり話さないことが特徴」と述べている。
最高裁の命令は、カリフォルニア州ロサンゼルス郡、オレンジ郡、リバーサイド郡、サンバナディーノ郡、ベンチュラ郡、サンタバーバラ郡、サン・ルイス・オビスポ郡を含む地域に適用される。
(サチエ・ヴァメーレン)
(米国)
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