佐賀銀行が香港貿易発展局と覚書を締結、県内顧客企業の海外ビジネス支援強化へ

(香港、日本)

香港発

2025年09月02日

香港の貿易促進を目的とした法定機関である香港貿易発展局(HKTDC)は8月15日、佐賀銀行と地域間の経済・貿易強化を目的とした相互協力に関する覚書(MOU)を締結したと発表した。今回の覚書は、佐賀銀行が現在注力している「コンサルティング型営業」の一環として、顧客企業の海外ビジネスを支援するもので、今後、香港でのパートナー企業に関する情報収集や関係構築を強化していく方針。主な相互協力内容は、次のとおり。

  • 香港と日本間(主に佐賀県)の経済・貿易促進に向けた相互協力
  • 貿易取引支援および経済・貿易情報の相互共有
  • 相互のビジネス訪問の促進・受け入れ
  • 香港・中国本土でのビジネスを希望する企業の紹介とサポート
  • HKTDC主催の国際展示会や日本と香港の商談会への参加

同日行われた覚書締結式典には、HKTDCの張淑芬(ソフィア・チョン)上席副総裁と佐賀銀行の坂井秀明頭取が出席した。坂井頭取は式典で、「佐賀にはまだ皆さんの知らないおいしい特産物がたくさんある。佐賀県や長崎、福岡の(佐賀銀行の顧客企業にとって)貿易と経済交流がますます活発になる」と述べた(「日本経済新聞」8月15日)。それを受け、張上席副総裁も「今回のMOU締結で、多くのメーカーや中小企業を支援できるようになると確信している」と応じ、同行との協力関係強化に期待を示した(同上)。

佐賀銀行は8月14日から16日までの3日間、グループ会社である地域商社のさぎんコネクトと共同で、HKTDCが主催するアジア最大規模の食品・食材見本市「Food Expo PRO 2025」に、佐賀ブースを出展した。顧客である取引先7社が販路拡大を目的に出展し、これらブースへのサポートのほか、さぎんコネクトによる商品のサンプル出展7社、視察ミッション7社の計21社への支援を実施した。16日までのBtoB(企業間取引)期間中、同行の行員が商談に立ち会い、交渉をサポートした。

今後、同行グループでは継続的な輸出成功事例を創出するため、輸出販路の開拓に意欲的な九州北部の企業を支援していく意向。同行は現在、海外での支店・事務所開設の計画はないが、HKTDCとの提携を足掛かりに中国や東南アジアへの商圏拡大を目指すとしている(「日本経済新聞」7月28日)。

(越川剛)

(香港、日本)

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