トランプ米大統領、ガザ和平案は「最終段階」、ネタニヤフ首相と協議へ

(米国、イスラエル、パレスチナ、カタール、ヨルダン、トルコ、インドネシア、パキスタン、エジプト、アラブ首長国連邦、サウジアラビア)

テルアビブ発

2025年09月29日

米国のドナルド・トランプ大統領は9月28日、米メディア「アクシオス」のインタビューで、ガザでの戦闘終結に向けた米国主導の和平計画に関する交渉は「最終段階にある」と述べた。トランプ大統領は9月29日にイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相との会談を予定している。

同メディアによると、トランプ大統領は「合意達成に向けてみんなが協力しているが、実現させる必要がある」と強調した。さらに、「アラブ諸国は平和を望み、イスラエルも平和を望み、ビビ(ネタニヤフ首相)も平和を望んでいる」と述べ、「これが実現すれば、イスラエルと中東にとって偉大な日となる。中東に真の平和をもたらす初の機会となる。だが、まずは実現させなければならない」と語った。

トランプ大統領は9月23日、国連総会に合わせて、ニューヨーク市内で米国とアラブ諸国およびイスラム協力機構(OIC)加盟国の首脳らによる多国間サミットを主催した。会議には、米国、カタール、ヨルダン、トルコ、インドネシア、パキスタン、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビアの首脳や高官が出席した。9月24日付「アクシオス」によると、トランプ大統領とスティーブ・ウィトコフ特使は、ガザ戦闘終結後の統治に向けた「21項目の計画」を提示し、出席者から前向きな反応を得たという。アラブ・イスラム諸国首脳は9月24日に共同声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、「公正かつ永続的な平和への第一歩として、戦闘終結と即時停戦を実現し、人質解放と十分な人道支援物資の搬入を確保する必要がある」との認識が共有された。

「タイムズ・オブ・イスラエル」紙(9月27日付)によると、21項目はガザ地区の非武装化、戦争終結、人道支援、再建、そして将来的なパレスチナ国家への道筋を含む包括的な構想で、具体的には、(1)ガザの非過激化と非テロ化、(2)ガザ住民のための再開発、(3)即時停戦とイスラエル国防軍(IDF)の撤退、(4)全ての人質の返還、(5)囚人の釈放、(6)ハマス構成員の処遇、(7)人道支援の拡大、(8)国際機関による支援の中立的配分、(9)暫定統治機構の設置、(10)経済再建計画の策定、(11)経済特区の創設、(12)住民の定住支援、(13)ハマスの統治排除、(14)中東地域諸国による安全保障の保証、(15)暫定的な国際安定化部隊の育成、(16)イスラエルによるガザの非占領・非併合、(17)計画の部分的実施の可能性、(18)カタールへの再攻撃禁止、(19)脱過激化プロセスの確立、(20)パレスチナ国家への道筋、(21)イスラエル人とパレスチナ人の和平対話の確立が盛り込まれている。

ネタニヤフ首相は9月28日、米フォックス・ニュースとのインタビューで、21項目の計画について「まだ協議中であり、最終合意には至っていない」と述べた。

イスラエルとハマスの衝突の詳細については、ジェトロの特集を参照。

(中溝丘)

(米国、イスラエル、パレスチナ、カタール、ヨルダン、トルコ、インドネシア、パキスタン、エジプト、アラブ首長国連邦、サウジアラビア)

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