スターマー政権、内閣改造を発表、レイナー副首相は辞任

(英国)

ロンドン発

2025年09月10日

英国のキア・スターマー首相は9月5日、内閣改造を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(添付資料表参照)。副首相にデービッド・ラミー外務・英連邦・開発相が就任し、法務相を兼任する。新たな外務・英連邦・開発相にはイベット・クーパー内務相が、内務相にはシャバナ・マームード法務相が新たに就任した。なお、レイチェル・リーブス財務相は留任。英国で初めて、外務相・内務相・財務相の主要な3つの大臣職を女性が務めることとなった。

その他の主な閣僚では、ピーター・カイル科学・イノベーション・技術相がビジネス・通商相に就任し、新たな科学・イノベーション・技術相にはリズ・ケンダル労働・年金相が就任した。また、ジョナサン・レイノルズ・ビジネス・通商相は財務政務次官・院内幹事長に就任した。

スターマー首相は、内閣改造に先立つ9月1日、首席秘書官を新設した。当時、財務首席政務次官を務めていたダレン・ジョーンズ・ランカスター公領相、政府間関係担当相が就任し、首相の優先事項および政府の「変化に向けた計画(Plan for Change、2024年12月6日記事参照)」の実行を統括する。

今回の内閣改造は、不動産購入時の印紙税の支払いに誤りがあり、大臣規範違反だと判断されたアンジェラ・レイナー副首相の辞任を受けて実施され、大幅な体制刷新となった。ポストの新設や与党・労働党内で移民政策強硬派と目されるマームード氏の起用、また11月26日に年次予算案の発表を予定しているリーブス財務相の続投により、多くの課題を抱える行政の効率化、機能向上を図る狙いがある。

英国の調査会社ユーガブが実施した意識調査によると、9月1日時点の労働党の支持率は20%で、1位のリフォームUK(28%)に次ぐ2位と、伸び悩んでいる。3位の保守党(17%)との差も縮小傾向にある。

(野崎麻由美)

(英国)

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