ルーマニアでコミコンが開催、ジェトロは日本コンテンツセミナーを実施
(ルーマニア、日本)
ブカレスト発
2025年09月24日
中・東欧最大級のポップカルチャーイベント「イースト・ヨーロピアン・コミコン(East European Comic Con)」が9月12~14日、ルーマニアの首都ブカレストの国立競技場で開催された。主催者によると、2025年の来場者は2024年の5万人を上回る6万人が見込まれている。
会場の様子(ジェトロ撮影)
ジェトロは、同イベントでコンテンツIPライセンス(知的財産権)をテーマにしたセミナーを実施。ゲストスピーカーとして、丸紅インターナショナルのグローバルライセンシング&パートナーシップマネージャー川本満実子氏と、北米でマンガ市場を確立させたTOKYOPOPのスチュウ・リービー代表取締役を招いた。セミナーには片江学巳・駐ルーマニア日本大使のほか、コミコン主催者イースト・ヨーロピアン・コミコンのミルチャ・ムレシャン代表取締役、日本のコンテンツに関心を持つ地元バイヤーらが出席した。
ムレシャン氏は、ジェトロの海外バイヤー向けオンライン商談支援プラットフォーム「Japan Street」を活用して映画を購入した経験を共有し、「ライセンスを取得して合法的な方法でコンテンツや関連商品を調達することは難しいことではない」と強調、ジェトロの支援を得て正式なルートでビジネス行う重要性を説いた。
川本氏は、欧州市場における日本の出版社のライセンス販売や商品化、アパレルコラボ、イベントでのグッズ販売の実績を紹介。市場調査を通じて現地のニーズを分析し、商品のローカライゼーション、クリエーター誘致などの取り組みについて説明した。リービー氏は「日本のコンテンツは今や世界のトップリーグにある」と述べ、今後はローカライゼーション、配信サービス、物販、イベントなどで多くのビジネスチャンスが生まれると展望を語った。質疑応答では、ライセンス取得に関する質問が多く寄せられ、セミナーの有益性がうかがえた。
セミナーの様子(ジェトロ撮影)
また、ジェトロは日本の中小ゲーム事業者の海外展開支援の一環として、インディーゲーム(注)の試遊スペースを設けたほか、日本アニメ5作品の上映も実施した。3日間を通じて、多くの来場者が日本の多様なコンテンツに触れる機会となった。
ゲーム試遊ブースと日本アニメ上映の様子(ジェトロ撮影)
(注)大手のゲーム会社や販売元からの資金や支援を受けずに、小規模なチームや事業者により独立して制作されたゲーム。
(本吉美友)
(ルーマニア、日本)
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