ムンバイでコンテンツ関連イベント開催、日本のアニメに大きな関心
(インド)
ニューデリー発
2025年09月16日
インド西部ムンバイで8月22~24日、コンテンツ関連イベント「アニメーション・アンド・モア・サミット2025」が開催された。本イベントの開催は7回目で、アニメやゲーム、漫画、VFX(ビジュアル・エフェクト)などの業界に特化したメディアプラットフォームを運営する、地場企業アニメーション・エクスプレス(Animation Xpress)が主催した。コンテンツ業界の最新トレンドや技術、インドでのビジネス機会に関心を抱くインド国内外の企業関係者ら2万9,000人が来場し、前回2024年開催時の4倍超となる約80社が出展した。
初参加の日本企業も多かった。自動車大手のトヨタがメインスポンサーとなったほか、展示会場ではアニメタイムズ、富士フイルム、ソニー、テレビ東京、日清食品、ヤクルトなどもブースを構えた。ジェトロは、カントリーパートナーとしてイベントに出展し、オンラインカタログサイト「Japan Street」の広報を行った。ジェトロのブースには、日本のIP(知的財産)ライセンス取得に関心を持つインドの配給・配信会社や、現地市場に合わせたリメークを検討するアニメ制作会社などが来場した。また、日本企業以外にも、主にアジア地域で人気アニメ「スパイ・ファミリー(SPY×FAMILY)」をはじめとした日本のアニメライセンスを扱う台湾のミューズ・コミュニケーションズや香港のメディアリンクもブースを出展した。
イベントでは、専門家によるパネルディスカッションや新作コンテンツなどの発表会も行われた。ポケモンやエイベックスなどが日本アニメの動向について講演を行ったほか、ジェトロ・ニューデリー事務所が日本企業のインド進出支援策など、事業の取り組みについて発表した。さらに、人気アニメ「デスノート」や「進撃の巨人」の監督である荒木哲郎氏も特別ゲストとして登壇し、日本のアニメ文化や制作技術について語り、会場を盛り上げた。
同イベントでは例年、BtoBのネットワークづくりに力が入れられてきたが、2025年はBtoCにも焦点が当てられ、アニメファン向けに「アニメ・インディア2025」と題したイベントも併催された。会場ではコスプレ大会やアニメ関連グッズの販売が行われ、日本のアニメに関心を寄せる来場者も多く詰めかけた。インドで出回るアニメ関連グッズは、その多くが模倣品であることが問題となっているが、今回のイベント主催者は、会場内で模倣品が展示・販売されないよう注意を払ったと述べていた。
荒木哲郎氏(左から2番目)が特別ゲストとして登壇(ジェトロ撮影)
(ジェニカ・カルラ、川崎宏希)
(インド)
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