重慶市で「2025世界スマート博」開催、AIによる製造業の高度化アピール

(中国)

成都発

2025年09月22日

「2025世界智能産業博覧会(スマート博)」が9月5~8日、中国重慶市の重慶国際博覧中心で開催された。今回のスマート博は「人工知能(AI)+」と「コネクテッド新エネルギー車(NEV)」をテーマに掲げ、スマートコネクテッドNEV、デジタル都市、スマートロボット、スマートホーム、低空経済の5つの展示エリアが設けられた。

9月9日の「人民日報」の記事によると、会場には国内外から600以上の企業・団体が出展し、5日午前の開幕式には習近平国家主席が祝賀メッセージを寄せた。習国家主席は「AI技術は急速に進化しており、人の暮らしや生産様式を大きく変え、世界の産業構造を再構築しつつある」とした。さらに、中国はAIの発展を極めて重視しており、AI技術と産業の深い融合を積極的に推進するとし、AIによる経済と社会の質の高い発展を支える意向を示した。また、長安汽車(本社:重慶市)の朱華栄董事長は開幕式で、同社とIT大手の華為技術(ファーウェイ)との技術提携を紹介し、AIを活用した技術革新によって製品の品質やユーザー体験などを一層高める方針を示した。中国のNEVやスマート産業で海外ブランドの参加を呼びかけ、世界自動車産業の持続可能な発展を遂げるために協力していく姿勢を示した(「重慶日報」9月5日)。

会場では、重慶市に本社を置くNEVメーカーの賽力斯集団(セレス)が主力ブランド「問界(AITO)」を展示し、産業用ロボットを導入したスーパースマート工場での高精度な生産工程を紹介した。多くの来場者が同社ブースを訪れ、展示内容に関心を寄せていた。展示では、製造業の高度化に関する取り組みについても説明があり、「産業用ロボット+スーパー工場」という方針の下、スマート製造は(1)品質向上とコスト削減、(2)グリーン製造と品質管理、(3)省人化、受注生産支援、自動化、(4)デジタル化と情報化といったステップに分けて進めているとした。さらに、2023年以降はAIを活用した産業技術基盤の構築に注力しており、デジタル技術の応用力強化や、研究開発・製造・調達・販売・サービスの一体化を推進している。

写真 セレスの展示ブース(ジェトロ撮影)

セレスの展示ブース(ジェトロ撮影)

写真 長安汽車のブース(ジェトロ撮影)

長安汽車のブース(ジェトロ撮影)

(王植一)

(中国)

ビジネス短信 2b05c198276f8dcd