米国が木材パルプを相互関税の対象外に、ブラジル政府と業界団体は歓迎

(ブラジル、米国)

サンパウロ発

2025年09月29日

ブラジル開発商工サービス省(MDIC)は9月11日、米国のドナルド・トランプ大統領が9月5日に発表した大統領令(2025年9月8日記事参照)により、木材パルプ(注)およびフェロニッケルが、一律10%の相互関税の対象品目から除外されたことを歓迎した(9月11日付公式サイト)。両品目は、7月30日に発表されたブラジルからの輸入品に対する40%の追加関税の対象外でもあり(2025年8月1日記事参照)、今回の措置により、両方の関税からの適用除外が確定した。

MDICによると、2024年の両品目の米国向け輸出額(通関ベース)は約18億4,000万ドル。このうち木材パルプが84.2%を占めた。ブラジル植林木産業連合会(Ibá)のパウロ・ハルトゥング会長は、現地紙「CNNブラジル」(9月11日付)のインタビューで「非常に重要な決定であり、多くの事業者の負担軽減につながる」と述べ、歓迎の意を示した。

ジェラウド・アルキミン副大統領兼開発商工サービス相はMDIC公式サイト(9月11日付)で、「政府としては今後も米国による関税の影響緩和に努める。今回の大統領令により、特にパルプ産業の状況が改善されたが、依然として課題は多い」とコメントした。

(注)今回の大統領令により、木材パルプに対応する3つのHSコード(4703.11.00、4703.21.00、4703.29.00)が対象外品目に追加された。MDICの統計によると、これらのHSコードは2024年の米国向け木材パルプ輸出額の9割以上を占める。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル、米国)

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