中国、「鉄鋼業の安定的成長に関する作業方案(2025-2026年)」発表、付加価値額の年4%増へ
(中国)
上海発
2025年09月26日
中国の工業情報化部、自然資源部など5部門は9月22日、「鉄鋼業の安定的成長に関する作業方案(2025-2026年)」を発表し、2025年から2026年にかけて鉄鋼業の付加価値額を年平均約4%増加するとの目標を掲げた。同方案では、同期間の鉄鋼業の安定的成長の主要目標として、市場の需給バランスがより安定し、産業構造がさらに最適化されることを挙げた。
工業情報化部は方案策定の背景として、「近年、鉄鋼業は低迷が続き、安定的成長への圧力が高まっている」ことを挙げ、「鋼材消費がピークに達し、需要が持続的に減少する中で、業界の利益率は低い状態が続き、企業の経営圧力が増加の一途をたどっている」と説明した。また、2024年の鉄鋼業の利益が662億9,000万元(約1兆3,921億円、1元=約21円)で、前年比42.6%減となったことを示し、こうした現状を踏まえ、需給両面から協力的に取り組むため、5分野10項目の施策を打ち出したとしている。
供給面では、生産能力と生産量の詳細な調整を行うことや、鉄鋼会社の段階別・分類別管理の促進を挙げ、業界の管理を強化することで、競争による淘汰(とうた)を促進するとした。そのほか、ハイエンド製品の供給能力強化や、汎用(はんよう)品の品質向上の促進、原材料の供給の安定化、供給能力の向上などを示している。
需要面では、船舶など重点的な鉄鋼使用分野で上流、下流の連携を強化させ、産業チェーンの安定を維持することや、住宅、公共建築、中小規模の橋などの分野で鉄鋼構造の普及を積極的に推進するとした。さらに、条件を満たす地域で、鉄鋼構造建築の産業パークと、鋼材・部材・部品のデジタルサプライチェーン取引用サービスプラットフォームの育成を奨励するとした。
その他、製造設備更新の促進、デジタル化の加速、グリーン・低炭素化転換推進による産業転換・高度化の促進や、鉄鋼製品の輸出管理強化などを通じた国際化レベルの向上も提案した。
(趙姝萍)
(中国)
ビジネス短信 20bb2a44a4f93958