米ジョージア州知事、韓国永久磁石メーカーのジェイエス・リンクの工場建設を発表
(米国、韓国)
アトランタ発
2025年09月09日
米国ジョージア州のブライアン・ケンプ知事(共和党)は9月3日、韓国の永久磁石メーカーのジェイエス・リンクの米国完全子会社が同州コロンバス市にレアアース永久磁石の製造拠点を建設すると発表した。投資額は最低2億2,300万ドルで、520人以上の新規雇用を創出する予定だ。
新施設は13万平方フィート(約1万2,077平方メートル)の広さで、同州西部のコロンバス市のムスコギー・テクノロジー・パーク内に建設される。年間生産量は3,000トンで、稼働開始は2027年後半を予定している。同社は2000年創業で研究開発に特化したバイオテクノロジー企業だったが、自動車や風力発電、ロボット、防衛産業などに欠かせない永久磁石の製造に業容を拡大した。また、韓国礼山郡に永久磁石製造施設(年間生産量1,000トン)を建設しており、2027年9月に試験生産を開始する見込みだ。
ケンプ知事は「ジェイエス・リンク・アメリカは航空宇宙、モビリティー、エネルギーなど各産業の米国内サプライチェーン確立でジョージア州の役割を強化するものだ」と述べた。また、ジェイエス・リンク・アメリカのリー・ジュン最高経営責任者(CEO)は「この新しいサプライチェーンはレアアースの調達から永久磁石の最終生産までの全工程を(米国内で)カバーするだろう」と述べた。
レアアース磁石の生産は中国が8割超を占めると言われており、米国内唯一のレアアース採掘企業MPマテリアルズ(本社:ネバダ州ラスベガス)は2025年7月に国防総省と長期契約を締結し、米国内でのレアアース磁石の国内生産を加速させると発表した(2025年7月15日記事参照)。
(秋山博幸)
(米国、韓国)
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