ヨルダン投資省、大阪で投資セミナー開催
(ヨルダン、日本)
調査部中東アフリカ課
2025年09月08日
ヨルダン投資省は9月4日、大阪市で「ヨルダン投資セミナー」を開催した。ジェトロと大阪商工会議所、在日ヨルダン大使館が開催に協力した。ヨルダンからはナーセル・シュライデ次期駐日ヨルダン大使、ザーヘル・ガタルネ投資省事務総長らが登壇した。
シュライデ次期駐日ヨルダン大使が冒頭あいさつし、日本とヨルダンは長年にわたって政治的に友好な関係にあり、今後は投資や観光を通じて経済関係を強化したいと語った。ヨルダンの投資環境の魅力としては、政治的な安定性や優秀な人材、周辺市場へのハブとしての優位性などを紹介した。同国は情報通信、人工知能(AI)、エネルギー、医薬品など多くの分野で投資機会を有しているとして、日本企業との協業への期待を述べた。
あいさつするナーセル・シュライデ次期駐日ヨルダン大使(ジェトロ撮影)
また、投資省のガタルネ事務総長は同国のビジネス環境と投資機会に関するプレゼンテーションを行った。ヨルダンは49の2国間投資協定のほか、米国やカナダとの自由貿易協定(FTA)、EUとの連合協定などを締結済みで、14億人市場にアクセスが容易な輸出志向の国だと紹介した。人材育成の観点では、情報通信技術(ICT)教育などが盛んで、国民1人当たりのエンジニア数が最も多い国と述べた。また、投資インセンティブや免税措置などのあるデベロップメントゾーン、シリア復興へのゲートウエーとなり得る産業ゾーンや共同フリーゾーンについて説明した。
プレゼンテーションを行うザーヘル・ガタルネ投資省事務総長(ジェトロ撮影)
日本側からJTインターナショナル(Japan Tabacco International)が登壇し、ヨルダンでの取り組みを紹介した。同社は1999年にJTIヨルダンを設立した。これまでの投資額は3億ドルに達し、在ヨルダン日系企業として最大規模の投資額だと述べた。同国にはたばこ製造工場も設置しており、市場シェアは50%を超え、約350人の従業員を雇用しているとした。このような成果の要因として、(1)ヨルダン政府が日本企業をパートナーとして扱い、ビジネス課題をともに解決する姿勢、(2)教育水準が高く、意欲的なヨルダンの国民性、(3)周辺地域への輸出のハブとなるヨルダンの地理的優位性の3点を説明した。
ヨルダンは2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)内にパビリオンを設置し、同国の歴史や観光地としての魅力などを紹介している。また、同国のワディ・ラム砂漠から運んだ約22トンの砂を設置し、砂漠地帯を再現している。
ワディ・ラム砂漠を再現したヨルダンパビリオンの内部(ジェトロ撮影)
ヨルダンパビリオンに展示している土壁(ジェトロ撮影)
(久保田夏帆)
(ヨルダン、日本)
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