米国の輸入品関税を引き下げるべきと43%が回答、米世論調査
(米国)
調査部米州課
2025年09月24日
米国では、連邦最高裁判所が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税措置(トランプ関税)を巡る訴訟について、2025年秋から審理入りするとしている(2025年9月17日記事参照)。最近の世論調査では、トランプ政権が輸入品に課す関税を引き下げるべきと43%が回答した。
経済誌「エコノミスト」と調査会社ユーガブは9月24日、トランプ政権などに関する世論調査結果(注1)を発表した。それによれば、トランプ政権が課す関税は43%が「下げるべき」と回答し、「上げるべき」(12%)を大幅に上回った。25%は「現状維持」だった。
トランプ関税によって、物価が上昇すると71%(大幅に上昇:44%、小幅に上昇:27%)が回答した。支持政党別では、民主党支持者(87%)、無党派層(72%)、共和党支持者(55%)の全てにおいて、過半が「上昇する」と回答した。
最高裁の判決でトランプ関税が「合法」とされると思う割合は42%で、「違法」(17%)を大きく上回った。41%は「わからない」と回答した。
トランプ関税が合法とされ、維持されることになれば、大統領権限の劇的な拡大とみなされ、将来の大統領が国家非常事態を口実に議会審議を迂回することが可能になる(米国のシンクタンク、アトランティック・カウンシル9月16日)。
ドナルド・トランプ大統領の支持率は39%と前週から変わらず横ばいだった。各重要事項に関する支持率は、「移民」(44%)と「国家安全保障」(42%)が4割を超えたものの、「雇用・経済」(36%)、「インフレ・物価」(32%)は低調だった。
ロイターと調査会社イプソスが9月に実施した世論調査(注2)によれば、トランプ氏の支持率は41%と1月の就任当初(47%)から6ポイント低下した。また、トランプ氏の経済対応の支持率は35%と就任当初(42%)から7ポイント低下した。
各重要事項に対して、共和党、民主党のいずれがより良い計画を示せるかという問いに対しては、「犯罪」「移民」「国際紛争」などで共和党への支持率が民主党を大きく上回った。一方、民主党は「環境」「女性の権利」「ヘルスケア」などで上回った(注3)。
(注1)実施時期は2025年9月19~22日。対象者は全米の成人1,551人。
(注2)実施時期は2025年9月5~9日。対象者は全米の成人1,019人。
(注3)「犯罪」共和党(R)40%、民主党(D)20%、「移民」R40%、D22%、「国際紛争」R35%、D23%、「ヘルスケア」R25%、D34%、「女性の権利」R25%、D38%、「環境」R23%、D37%。
(松岡智恵子)
(米国)
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