ペゼシュキヤーン大統領、国連総会で核政策を説明、欧州への懸念も表明

(イラン、英国、フランス、ドイツ、スイス、ノルウェー、フィンランド)

テヘラン発

2025年09月30日

イランのマースード・ペゼシュキヤーン大統領は9月24日、国連総会出席に際し、欧州首脳らとの会談を通じてイランの核政策および外交方針を説明した。国連での演説では、「イランは核兵器の開発を目指したことはなく、今後もその意図はない」と明言した。また、「英国、フランス、ドイツの3カ国が過去10年間にわたり約束を履行せず、米国の圧力の下で国連安全保障理事会決議(注)の再適用を試みている」と批判。「この動きは国際的な正当性を欠いており、安保理の一部メンバーが反対していて、国際社会の支持も得られないだろう」と述べた〔9月24日付イスラーム共和国通信(IRNA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

また、ペゼシュキヤーン大統領はフィンランドのアレクサンドル・ストゥブ大統領と会談し、欧州諸国との関係強化の取り組みが期待どおりに進展していないと述べた。その結果として、英国・フランス・ドイツの3カ国がイランに対し、国連安保理決議の再適用(いわゆるスナップバック・メカニズム)を試みる状況に至っていると指摘した(9月25日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

さらに、欧州理事会(EU首脳会議)のアントニオ・コスタ常任議長やノルウェーのヨナス・ガール・ストーレ首相とそれぞれ会談を実施した。会談では、イランは一貫して核兵器の開発を目指していないとあらためて強調。現在の状況は、包括的共同作業計画(JCPOA)から離脱し、約束を破った側に責任があると述べた。また、イランは平和的核活動を継続しており、透明性と協力の姿勢を維持しているとした(9月25日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます9月25日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

なお、国連安保理は9月26日、中国とロシアが提案した、イランへの制裁緩和を6カ月延長する決議案を否決し(9月26日付国連ニュース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、日本時間9月28日にイランへの制裁措置が再適用された(9月28日付日本外務省談話外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(注)2015年に国連安保理で採択された、イランの核問題に関する国連安保理決議第2231号を指す(参考:2016年1月22日付経済産業省ニュースリリース)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)

(マティン・バリネジャド)

(イラン、英国、フランス、ドイツ、スイス、ノルウェー、フィンランド)

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