西アフリカのリベリア、大阪・関西万博で投資・経済フォーラム開催
(リベリア)
調査部調査企画課
2025年09月03日
西アフリカのリベリア政府は8月27日、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)のナショナルデー(8月26日)に合わせ、近畿経済産業局と八尾市との共催で、「リベリア投資・経済フォーラム」を万博会場内で開催した。
リベリアはアフリカの西海岸に面し、公用語が英語で、人口543万人(2023年、IMF)の国だ。世界有数の船舶の便宜置籍国としても知られている。IMFによると、2024年の実質GDP成長率は4.8%で、2025~2026年もサブサハラ地域全体を上回る5%台の高い成長が見込まれている。
フォーラムで登壇した同国のエドワード・ウェイド・アップルトン・ジュニア駐日大使は、農業や再生可能エネルギー、石油・天然ガス、デジタル、インフラ、教育といったさまざまな分野に投資機会があるとして、日本企業に投資を呼びかけた。
マゴダレン・E・ダゴセ商工業相は投資を呼び込むための投資環境改善に取り組んでいることに言及し、これまで課題だった登記や関税などのプロセスについて、デジタル化を進めて手続きを迅速化したことや、企業が各種手続きの進捗をリアルタイムで確認できることなどを紹介した上で、「リベリアはビジネスにオープンだ」と強調した。
あいさつするマゴダレン・E・ダゴセ商工業相(ジェトロ撮影)
ホン・ジェフ・B・ブリボ国家投資委員長は、同国では経済特区(注)を整備しており、税制優遇や関税手続きの簡素化といったインセンティブが存在すると述べた。また、有望分野として、農業や鉱業(鉄や金、ダイヤモンドなど)、製造業(ゴム加工品や繊維製品など)、観光業、電力・再生可能エネルギー、空港・港湾の近代化などを挙げた。その上で、リベリアは西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)に加盟しており、大きな人口を抱える西アフリカのゲートウエーで、EUや米国、アジアとの貿易に適しているとアピールした。
リベリア側から、観光分野などに関する紹介もあった。日本側からは、関西圏が日本第2の経済圏で、製造業が盛んなことや、八尾市は特にものづくりの中小企業が集積していることなどを紹介し、両地域の協業・連携により新たなビジネスが生まれることへの期待を示した。
(注)リベリア特別経済特区庁(LSEZA)によると、同国には経済特区が5カ所ある。税控除や資本財の輸入免税といったインセンティブのほか、事業登録やその他の行政手続きの「ワンストップショップ」サービスを提供するという。
(中田智士、内田政義)
(リベリア)
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