ジェトロ、米国・香港・オーストラリアのライフスタイル関連バイヤーを中国地域5県に招聘
(日本、米国、香港、オーストラリア)
広島発
2025年09月12日
ジェトロは、中国地域5県(広島県、岡山県、山口県、島根県、鳥取県)の連携プロジェクトとして、食器、インテリア小物、アクセサリーなどライフスタイル用品を取り扱う域内の日本企業を対象に「クラフツマンシップ(Craftsmanship)―中国地域産品の海外販路開拓支援事業」を実施した。同事業では、8月28日から9月2日にかけて米国、香港、オーストラリアから計5社のバイヤーを招聘(しょうへい)し、海外バイヤーと初めて商談に取り組む企業も含め日本企業32社と約50件の商談を行った。
8月28日には、バイヤーの紹介と日本企業との交流も兼ね、広島駅直結のコミュニティスペース(miobyDoTS)で展示商談会を実施した。バイヤーは展示された商品を実際に手に取りながら、日本企業による説明を熱心に聞いていた。
展示商談会の様子(ジェトロ撮影)
翌29日は、広島国際会議場でバイヤーが専用ブースに常駐する形式で商談会を実施。会社資料や商品カタログ、多くのサンプルを手に、製品をPRした。バイヤーは、価格設定の方法や商品プロモーションの実施手法など、自国の商習慣を踏まえた説明を行った。
8月30日~9月2日は、各バイヤーがそれぞれ関心を持った企業の産地を訪れ、工房や作業工程を見学。ものづくりの背景を熱心に伝えたことで、その場で成約につながる企業もあった。また、バイヤーが求めるロット数など取引条件が合致せず受注に至らなかった企業も、海外バイヤーが重視する点が分かり、今後の商談につながる経験ができたと話した。
(左)商談の様子、(右)産地視察の様子(ともにジェトロ撮影)
参加した米国サンフランシスコのバイヤーは、すでに広島・宮島の杓子(しゃくし)を継続的に仕入れている。調理時の利便性を追求した設計とデザイン性の高さで、現地消費者からも好評だという。今回の訪日では、焼き物や器、藍染め製品の商談も積極的に行い、産地の歴史や製品のストーリーに加え伝統技術を生かした希少性のある一点ものに高い関心を示した。また、他のバイヤーからは、事前の写真やウェブサイトの情報よりも、実物を見てその良さを初めて実感できたとコメントがあった。
(秋野晴香、山本明佳、豊嶋佑介、角岸右京、薄木裕也、松元郁実)
(日本、米国、香港、オーストラリア)
ビジネス短信 0fef7060b7111822