ガーナ中央銀行、政策金利を21.5%に引き下げ、継続的な金融緩和を実施

(ガーナ)

アクラ発

2025年09月19日

ガーナ中央銀行は9月17日、金融政策委員会(MPC)を開催し、政策金利を350ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げて21.5%に設定した。これは、ガーナが2022年に事実上の債務不履行(デフォルト)となって以降、最も低い水準となる。引き下げの背景として、インフレの継続的な鈍化と好調な経済状況が挙げられている。

ガーナ統計局によると、2025年8月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比11.5%となり、2024年12月以降、8カ月連続でのCPI上昇率の低下を記録した。ガーナ中央銀行は、2025年末までにインフレ率が目標範囲である中央値8%(±2%)に収まると予測している。

経済成長も力強く、2025年第2四半期(2025年4~6月)の実質GDP成長率は前年同期比6.3%で、非石油部門は7.8%となった。特にサービス部門は9.9%、農業部門は5.2%と堅調な成長を示しており、国内需要の回復と生産活動の活性化が見られる。

政策金利の引き下げにより、利回りや貸出金利が低下し、企業や個人の資金調達コストの軽減が期待されている。次回の金融政策委員会は2025年11月17~19日に予定されており、ガーナ中央銀行は引き続き物価安定と経済成長の両立を目指し、慎重かつ前向きな金融政策を継続する方針だという。

(中川翼)

(ガーナ)

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