OPECプラス加盟8カ国、9月は日量54万7,000バレル増産で合意、自主的追加減産は終了へ

(中東、サウジアラビア、ロシア、イラク、アラブ首長国連邦、クウェート、カザフスタン、アルジェリア、オマーン)

調査部中東アフリカ課

2025年08月06日

OPECプラス(注)に加盟しているサウジアラビア、ロシア、イラク、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、カザフスタン、アルジェリア、オマーンの8カ国は8月3日に会合を開き、4月1日から行っている自主的追加減産の段階的廃止(2025年3月10日記事参照)に関して、9月の生産量を8月の要求生産水準から日量54万7,000バレル増加させることを決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

今回発表を行った8カ国は2023年11月から合計日量220万バレルの自主的追加減産を行っていたが、2024年12月の会合で、2025年4月から2026年9月末にかけて自主的追加減産を段階的に廃止することで合意していた。その後、定期的に会合を開催し、5~7月の毎月の生産量を日量41万1,000バレル(2025年6月4日記事参照)、8月の生産量を日量54万8,000バレル増加することを決定した(7月5日付OPECプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。今回の決定により、2023年11月から実施していた自主的追加減産を当初の予定より1年前倒しで終了する見通しとなった。

原油価格は、6月13日にイスラエルがイランに対して先制攻撃を行った(2025年6月13日記事参照)ことを背景に一時急騰した。米国エネルギー情報局(EIA)の統計によると、北海ブレントは6月19日に1バレル当たり80.37ドルに達した。その後、同月24日に両国間の停戦合意が発表され、原油価格は衝突以前の水準に戻りつつある。7月28日時点では、米WTIは1バレル当たり67.81ドル、北海ブレントが70.87ドルとなっている(添付資料図参照)。

今回増産を発表したOPECプラス加盟8カ国は9月7日に次回会合を開催することにしている。また、OPECプラスによる第62回共同閣僚監視委員会(JMMC)は10月1日、第40回閣僚級会合は11月30日に開催の予定だ。

(注)OPEC加盟国のイラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラ、リビア、アラブ首長国連邦(UAE)、アルジェリア、ナイジェリア、ガボン、赤道ギニア、コンゴ共和国の12カ国と、非加盟の産油国のアゼルバイジャン、バーレーン、ブラジル、ブルネイ、カザフスタン、マレーシア、メキシコ、オマーン、ロシア、スーダン、南スーダンの11カ国で構成する。

(久保田夏帆)

(中東、サウジアラビア、ロシア、イラク、アラブ首長国連邦、クウェート、カザフスタン、アルジェリア、オマーン)

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