東ジャワ最大の製造業展示会「マニュファクチャリング・スラバヤ」活況、出展者も商談に手応え

(インドネシア)

ジャカルタ発

2025年08月19日

インドネシア・東ジャワで最大の製造業関連展示会「マニュファクチャリング・スラバヤ(Manufacturing Surabaya)2025」が、7月16~19日にスラバヤ市内の国際展示場で開催された。主催者のパメリンド・インドネシアによると、出展社数は15カ国から167社を数え、来場者数は4日間で8,315人(速報値)と前年より約300人増加した。ジェトロ・ジャカルタ事務所は、インドネシアに拠点を持つ日系中堅・中小企業13社で構成されるジェトロブースを設置し、日系企業の出展を支援した。2024年は7社の出展枠に対し応募が大きく上回ったため、2025年は出展枠を13社に拡大した。出展企業の業種は、金型、大型製造設備、オートメーション設備、排水用浄化槽、ソフトウエア、バイオマス、プラスチック成型、表面処理、金属管加工など多岐にわたった。

ジェトロブースの出展者からは、質の高い来場者との商談に手応えを感じたとの声があった。フジロイ・インドネシアの竹本鉄也マーケティングダイレクターは「マニュファクチャリング・スラバヤでは部品を持ってきてこれを作れるかと質問される。このような展示会はほかにない」と述べ、取引の増加次第では営業拠点の設立も検討したいとの意向を示した。

製造業向けのさまざまなITソリューションを提供するアジアクエストインドネシアのディアン・ラディチャ・ブランチマネジャーによると、「ITやAI(人工知能)で何ができるかという問いかけから具体的な課題解決の相談に発展し、初日に来訪した企業とは会期中にミーティングの機会を得た」という。同氏は「この展示会には意思決定者が来るので、その後の工場訪問などのアポイントなどをすぐに取得できた」と、商談のスピード感について語った。

また、今回で2回目の単独出展となるキーエンス・インドネシアの清水充国際プロジェクトマネジャーも「開催2日、3日、4日目は予想を上回る企業がブースに来訪した。ブースに来訪した企業は、ほとんどがインドネシア資本の製造業で、反応に手応えを感じた」と述べた。

このような商談の質の高さとスピード感の背景には、東ジャワ州の経済的なポテンシャルがある。在スラバヤ日本総領事館によれば、東ジャワ州の2025年第1四半期の経済成長率は5.0%と、インドネシア全体の成長率を上回った。州内には13の工業団地があり、製造業が集積している一方で、製造ラインを支えるサポート産業の進出はまだ途上にある。そのため、多くの企業経営者が自ら課題解決のための製品やサービスを探しに来場する傾向が強く、この点が、担当者レベルの来場が多いジャカルタでの展示会と比較し、意思決定が速い理由と考えられる。

本展示会は、西ジャワに続く新たな市場として、東ジャワへの販路拡大を目指す企業や、営業拠点を設立して間もない企業にとって、効率的にビジネスチャンスを獲得できる機会となったとみられる。

写真 商談風景(ジェトロ撮影)

商談風景(ジェトロ撮影)

写真 ブース全容(ジェトロ撮影)

ブース全容(ジェトロ撮影)

(鹿住成子)

(インドネシア)

ビジネス短信 f643f4b1d2154a48