上半期の外資規制業種の認可社数、前年同期比30.4%増の502社
(タイ)
バンコク発
2025年08月04日
タイ商務省(MOC)は7月29日、2025年上半期の外資規制業種の認可状況を公表した。外国企業の事業認可社数は前年同期比30.4%増の502社で、内訳は外国人事業ライセンス(FBL)が123社、外国人事業証明書(FBC)が379社だった(注)。
上半期の投資総額は、前年同期比36.8%増の約1,115億バーツ(約5,129億円、1バーツ=約4.6円)となった。国・地域別にみると、日本が約430億バーツ(構成比38.6%)、99社で金額、社数ともに首位だった。社数の順では、次いで米国が約28億バーツ、72社、中国が約183億バーツ、65社、シンガポールが約174億バーツ、63社、香港が約83億バーツ、51社と続いた。
国・地域別の主な認可事業は次のとおり。
〇日本:各種産業向けの原材料・部品・コンポーネントの調達事業、ソフトウエア開発・サービス事業、エンジニアリングプラスチックの研究開発サービス事業、そしてリストサポート・包装用積層印刷・農業トラクター部品・車両部品など受託製造サービス事業
〇米国:エンジニアリングサービス事業、車両部品・アクセサリー、化粧品・栄養補助食品、各種産業用機械・工具・設備・部品などの小売事業、事業開発コンサルティングを含むマーケティングサービス事業、DCケーブル・宝飾品製造用金属合金・PCB用固定ネジなどの受託製造サービス事業
〇中国:各種産業向けの原材料・部品・コンポーネントの調達事業、電気自動車の修理・メンテナンスサービス事業、ソフトウエア開発サービス事業、電気自動車用高電圧ワイヤーハーネス・バイオプラスチック製品・車両部品・模様付プラスチックシートなどの受託製造事業
〇シンガポール:財務省認可・監督下にある個人向けローン事業(監督下)、臨床研究の支援・管理サービス事業、データセンターサービス、金属製品・鍛造金属部品・バイオプラスチックコーティング紙包装・金型・プラスチック部品・プリント基板などの受託製造サービス事業
〇香港:最新システムを備えた物流センターサービス事業、電気自動車充電ステーションサービス、データセンターサービス、太陽光発電・歯科製品・工業用化学製品・プラスチック部品・金属部品などの受託製造サービス事業
2025年上半期に認可された案件のうち、東部経済回廊(EEC)への投資額は約628億バーツとなり、認可総額の56.4%を占め、認可企業は158社だった。
国・地域別では、日本が約248億バーツ(構成比39.4%)、42社で、金額、社数ともに首位だった。中国が約139億バーツ、38社、シンガポールが約80億バーツ、15社の順だった。
(注)MOCが外資規制業種への参入を認可する際、外国企業がMOCに認可を直接申請する「外国人事業ライセンス(FBL)」と、外国企業がタイ投資委員会(BOI)などから投資奨励を得た上で、MOCに申請する「外国人事業証明書(FBC)」の2種類の方法がある。
(高谷浩一、チャナットパット・スクマ)
(タイ)
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