ケービーエフ、バングラデシュ人の手先の器用さでかゆい所に手が届く製品づくり
(バングラデシュ、日本)
企画部企画課
2025年08月07日
バングラデシュは約1億7,000万人の人口を有し、労働集約型の輸出志向型産業が国を支えている。同国南東部のクミッラ輸出加工区で2013年から操業するケービーエフ(東京都)の藤川勝一社長に、現地の操業状況について聞いた(インタビュー:7月29日)。
(問)貴社の事業内容やバングラデシュへの進出経緯について。
(答)当社はカメラバッグやカメラストラップなどの付属品、アクセサリーをはじめ、顧客のリクエストに対応し、販売促進用グッズなど、多種多様な製品を製造している。従来、中国江蘇省蘇州で製造していたが、製造コストの上昇を踏まえ、2013年にバングラデシュのダッカから南東100キロほどに位置するクミッラ輸出加工区に進出した。進出当初は既存の日系工場を買収するかたちで操業を開始したが、2021年にこの輸出加工区内に6階建ての新工場を設立した。現在230人ほどの従業員を雇用している。
(問)バングラデシュで操業する貴社の事業上の強みや特徴は。
(答)当社の強みは、多種多様な素材を在庫に有しており、どのようなオーダーにも対応することだ。製品の取扱数は500点ほどあり、バングラデシュで操業する日系企業の中でも随一ではないかと考えている。日本基準の品質管理で、バングラデシュの価格で生産している。自社の中国販社から部材を調達し、材料品質や信頼性の試験機も有している。また、日本本社が全業務の窓口になり、デザインから試作、見積もりまでを行っている。日本本社での試作も可能だ。中国での操業経験からしても、バングラデシュ人のワーカーは手先が非常に器用だと感じる。手先の器用さを活用して、顧客からのオーダーに対応するかたちで、かゆい所に手が届く製品作りを目指している。
(問)バングラデシュで操業上の課題は。
(答)現地調達が可能な原材料が少ないため、原材料は輸入に依存している。輸入時の通関手続きに時間を要することが多く、全体の生産スケジュールが逼迫することもある。また、出荷に当たっては、バングラデシュの最大港チョットグラムから日本への直行の海運ルートがなく、シンガポール経由での輸送となるため、日本までは1カ月程度の時間を要することも挙げられる。生産スケジュールの長期化への対応については、顧客から早めのオーダーをもらうことによって対応している。
(問)ビジネスの見通しとバングラデシュへの期待は。
(答)現在、ワーカー教育に注力しており、生産性の向上を追求している。また、日本政府が支援するマタバリ深海港が完成することに加え、現地調達できる原材料や資材が増えてくれば、出荷までのタイムラインを短縮することができるため、サプライチェーン上で生産拠点としてのバングラデシュの位置づけは、より重要になってくるだろう。当社もバングラデシュに貢献できるように、今後も腰を据えて現地で事業展開していきたい。バングラデシュ現地での人材育成にも尽力していきたい。
(左から)ケービーエフの藤川知憲氏、藤川勝一社長、今川輝一営業部次長(ジェトロ撮影)
(安藤裕二)
(バングラデシュ、日本)
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