タミル・ナドゥ州政府代表団が訪日、日本との関係強化を求める
(インド、日本)
チェンナイ発
2025年08月04日
インド南部タミル・ナドゥ(TN)州のT・R・B・ラジャア州工業相が、7月14~18日に訪日した。滞在中、関係強化の覚書を交わしている大阪府、愛媛県、広島県を訪問、TN州への投資を働き掛けるとともに、関係強化を呼び掛けた。これまで、日本側の自治体が同州を訪問し覚書などを締結してきたが、今回は、その訪問に対する答礼とともに同州との一層の関係強化に向けた訪問となった。
大阪府では、大阪市内で7月14日、大阪府と共催でTN州投資セミナーを開催した。TN州ジャパンデスクの開設を発表したほか、同州のビジネス環境を紹介、進出日系企業を代表して2月に生産拠点の設立を発表した村田製作所が進出の背景やビジネス環境などについて発表した。また、同州で工業団地を運営する住友商事、シンガポール法人のキャピタランド・ジャパンが工業団地の紹介を行った。
愛媛県でも、7月16日に松山市内でビジネスセミナーを開催した。TN州の魅力を紹介したほか、愛媛県が実施する同州の関連事業を紹介した。
広島県では7月17日、TN州との協定の更新に合わせて設立された広島日印協会、広島商工会議所関係者と意見交換会(ラウンドテーブル)を開催した。今後の連携強化に向けて意見交換したほか、広島県の今後のインドに対する取り組みについて紹介した。
訪問団長を務めたラジャア州工業相は、TN州として、「投資を求めているのではなく連携を求めたい。単なる企業誘致ではなく、双方の足りない部分を補い合う相互補完関係を構築し、ともに発展していきたい」と訴えた。また、現在の世界情勢のもと、リスク回避のための生産拠点の分散化が進んでいることを踏まえ、インドが新たな拠点として最適であることを強調するとともに、少子高齢化を迎える日本に対して、人材供給面でもTN州が協力できると述べた。
今回、TN州からはラジャア州工業相に、投資誘致機関ガイダンス、スキル開発公社の社長らが同行した。
7月14日大阪府共催TN州セミナーの様子(ジェトロ撮影)
7月16日松山市内開催のビジネスセミナーの様子(ジェトロ撮影)
7月17日開催、広島日印協会、広島商工会議所関係者と意見交換会の様子(ジェトロ撮影)
(白石薫)
(インド、日本)
ビジネス短信 d527563b614af6f6