万博のリユース品を購入可能な「ミャク市!」で資源循環を実現

(日本)

調査部国際経済課

2025年08月15日

2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)で使用されている樹木やエアコン、ベンチなどが万博サーキュラーマーケット「ミャク市!外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で出品中だ。ミャク市!は、万博で使用された施設や設備、器具の移築やリユースを促進し、購入者とのマッチングを行うためのウェブサイトで、自治体、企業から個人まで誰でもアクセスし、入札に参加することができる。

写真 「ミャク市!」のウェブサイト(ジェトロ撮影)

「ミャク市!」のウェブサイト(ジェトロ撮影)

ミャク市!で扱うリユース品は大きく3つに分けられる。(1)施設の移築、(2)建材・設備のリユース、(3)道具や設備のリユースだ。複数回にわたって公募が行われるが、814日現在、施設の移築、建材・設備のリユースの公募が行われている。施設の移築では、大屋根リングの木材と会場内に植えられている樹木が対象だ。建材・設備は500点ほどの出品があり、公式キャラクター「ミャクミャク」のモニュメントや会場内の案内板、トイレ、ベンチ、エアコンなどがある。引き渡しは会期後になるものがほとんどだが、建材・設備の出品のピークは8月ごろだという。道具や設備は10月ごろから公募が開始される予定で、基本的には建材・設備よりもさらに小さい物品(机など)が出品される。

写真 実際にミャク市!に出品されているイス(左)とトイレ(右)(ともに2025年日本国際博覧会協会提供)

実際にミャク市!に出品されているイス(左)とトイレ(右)(ともに2025年日本国際博覧会協会提供)

大阪・関西万博では、地球規模の課題に取り組むため、さまざまな技術やアイディアが展示され、過去の世界の大規模イベントを参考とした持続可能な運営の実践も多く行われている。過去の代表的な取り組みとしては、2012年のロンドンオリンピック・パラリンピックが「ごみゼロ」を掲げて行われた例がある。英紙「ガーディアン」によると、同五輪では「大会の残り物(remains of the games)」という名前のウェブサイトが運営され、LEDランプやクッション、寝具などが販売された。こうした過去の国際イベントでの事例を参考に実現したのがミャク市!だ。

2025年日本国際博覧会協会によると、従来、国内の大規模イベントでの設備や備品のリユースは行われてきたが、リユース先を広く一般に公募するのは初めての試みだという(注)。まだまだ使える物品が多く出品されるミャク市!を一度のぞいてみてはいかがだろう。

8月14日現在募集中の入札は次のとおり。

(注)8月12日の取材に基づく。

(板谷幸歩)

(日本)

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