中国の7月貿易統計、米国は減少続く、ASEANが堅調に増加
(中国)
北京発
2025年08月08日
中国海関総署(中国税関)の8月7日の発表によると、2025年7月単月の貿易総額は前月比1.8%増、前年同月比5.9%増の5,453億ドルだった。輸出額は前月比1.0%減、前年同月比7.2%増の3,218億ドル、輸入額は前月比6.2%増、前年同月比4.1%増の2,235億ドル、貿易収支は982億ドルの黒字だった(注)。なお、7月単月の輸出入貨物量は合計で前年同月比7.9%増となり、うち輸出は20.4%増、輸入は1.4%増だった。
主要貿易相手国・地域別に1~7月の貿易額をみると、輸出では、ASEANが前年同期比13.5%増の3,770億ドル、EUが7.0%増の3,174億ドル、米国が12.6%減の2,514億ドル、日本が4.4%増の902億ドルだった。その他の国・地域ではインドが13.4%増の774億ドルで2桁増となっている。輸入では、ASEANが0.2%増の2,200億ドル、EUが5.2%減の1,492億ドル、台湾が10.5%増の1,281億ドル、日本が2.5%増の893億ドル、米国が10.3%減の859億ドルだった(添付資料表参照)。
米国との貿易総額を月別にみると、3月525億ドル(前年同月比4.0%増)、4月456億ドル(19.2%減)、5月396億ドル(30.7%減)、6月498億ドル(16.0%減)、7月479億ドル(21.0%減)と推移しており、4月以降、前年同月比で減少がみられる(添付資料図参照)。
中国の1~7月の貿易額(全世界向け)を主要品目別にみると、輸出は肥料が前年同期比49.3%増と増加が続くほか、集積回路が20.5%増、船舶が15.5%増と堅調に推移した。他方、レアアースが24.2%減、石油製品が17.7%減、携帯電話が10.5%減と2桁減となっている。輸入では、シャーシを含む自動車が38.6%減(数量は31.8%減)、自動車部品が22.6%減と減少幅が大きい。増加が大きい品目では、非積載状態の重量が2トンを超える航空機が54.2%増、自動データ処理設備および部品が41.8%増、天然および合成ゴムが40.8%増となっている。
海関総署統計分析司の呂大良司長は、2025年に入ってから、複雑な外部環境下においても貿易は良好な運営が保てていると評価した。また、1~7月の民間企業による輸出入額は前年同期比7.4%増の14兆6,800億元(約293兆6,000億円、1元=約20円)となり、貿易総額の57.1%を占めたほか、1~7月の外資企業による輸出入額は2.6%増だったと説明した(「新華社」8月7日)。
(注)1~7月の貿易総額は前年同期比2.4%増の3兆5,772億ドルで、輸出は6.1%増の2兆1,304億ドル、輸入は2.7%減の1兆4,469億ドルだった。
(亀山達也)
(中国)
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