第2四半期のタイGDP成長率、前年同期比2.8%、前期から伸び減速

(タイ)

バンコク発

2025年08月26日

タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)は8月18日、2025年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率が前年同期比2.8%、前期比0.6%だったと公表した。前期〔同年第1四半期(1~3月)〕の前年同期比3.2%、前期比0.7%からともに減速した。

生産項目別でみると、農業が前年同期比6.0%(前期6.2%)と増加する一方、非農業では2.5%(2.9%)に減速した。非農業のうち工業部門は、製造業の拡大とガス、蒸気、空調供給の改善により、0.8%(0.4%)に加速したものの、サービス部門は3.5%(4.1%)で、宿泊・飲食サービス、運輸・倉庫、建設の減速により伸び悩んだ。

需要項目別でみると、内需では、民間消費支出は2.1%となり、前期(2.5%)に続いて拡大したものの、伸び率は縮小した。これは、車両購入をはじめとする耐久財、半耐久財、非耐久財への支出が増加したものの、サービス支出が減速したことが影響した。また、政府消費支出は2.2%と、前期(3.4%)からやや鈍化した。一方、総固定資本形成は5.8%と、前期(4.7%)を上回った。政府部門の投資が10.1%で、前期(26.3%)から減速したが、民間部門の投資支出が、機械・設備投資の増加により、4.1%と前期(マイナス0.9%)から大幅に回復した。

外需では、財・サービス輸入が消費財、資本財、原材料の輸入増加により、10.8%と前期(2.1%)からプラス幅が拡大した。また、財・サービス輸出が12.2%で、前期(12.3%)から引き続き堅調だ。財の輸出は、電子機器、パーム油、乗用車の増加が加速したものの、サービスの輸出は外国人観光客の減少に伴って減速した。

また、NESDCは2025年の実質GDP成長率について、1.8~2.3%(中間値2.0%)と予測し、5月時点〔1.3~2.3%(中間値1.8%)〕から上方修正した。ただ、2024年の2.5%からは引き続き減速を見込んでいる。減速の主な要因として、米国の関税措置の実施に伴い、2025年後半に財輸出が減少するほか、観光産業の減速などを挙げている。

(野田芳美)

(タイ)

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