2025年上半期の貿易黒字、前年同期比25%増加

(インドネシア)

ジャカルタ発

2025年08月13日

インドネシア中央統計庁(BPS)が8月1日に発表した貿易統計によると、2025年6月の輸出額は前年同月比11.3%増の234億3,650万ドル、輸入額は4.3%増の193億3,300万ドルだった(添付資料表参照)。前月比では輸出額、輸入額ともに4.8%減だった。2025年上半期(1~6月)の累計では、輸出額が前年同期比7.7%増の1,354億1,380万ドル、輸入額が5.3%増の1,159億3,520万ドルとなり、貿易収支は194億7,860万ドルの黒字で、前年同期比約25%増になった。

2025年上半期の輸出の内訳をみると、石油・ガスが前年同期比11.0%減の70億2,800万ドル、非石油・ガスが9.0%増の1,283億8,580万ドルだった。輸出額全体の9割超を占める非石油・ガスの内訳をみると、動植物性油脂が30.6%増の158億8,500万ドル、鉱物性燃料が21.2%減の153億2,750万ドル、鉄鋼が9.8%増の137億9,050万ドルの順となった。BPSの流通・サービス統計部門副局長のプディ・イスマルティニ氏は、主要輸出品目では唯一、鉱物性燃料の輸出額が減少した要因として、石炭価格の下落ならびに輸出量の低下を指摘した(「コンタン」8月1日)。

輸入では、石油・ガスが前年同期比11.9%減の158億6,270万ドル、非石油・ガスが8.6%増の1,000億7,250万ドルだった。非石油・ガスの内訳をみると、電気機器が8.1%増の170億9,180万ドル、機械類・輸送用機器が9.4%増の145億3,370万ドル、自動車・部品が31.3%増の53億4,690万ドルだった。

2025年上半期の非石油・ガスの相手国別の輸出額は、中国293億830万ドル(前年同期比8.4%増)、米国147億8,820万ドル(20.7%増)、インド89億7,100万ドル(16.2%減)だった。相手国別の輸入額は、中国400億150万ドル(22.1%増)、日本74億7,490万ドル(15.4%増)、米国48億6,660万ドル(6.8%増)と続いた。相手国別の貿易収支をみると、最大の黒字は米国との貿易収支で99億2,160万ドル、最大の赤字は中国との貿易収支で106億9,320万ドルだった。

ブディ・サントソ商業相は、上半期の非石油・ガス輸出の増加傾向について、特に6月にはコモディティ価格の上昇や米中間の関税一時引き下げ合意による国際貿易環境の改善が寄与したと述べた(「リパブリカ」8月5日)。商業省は市場多様化に向けた貿易協定の締結を継続的に推進しており、引き続き各国との貿易協定交渉を推進していく方針を強調している(「コンタン」8月5日)。あわせて、国内輸出成長目標(7.1%)の達成に向け、中小零細企業の輸出促進を積極的に支援していく姿勢を示している(「ビスニス」8月4日)。

(八木沼洋文、デシー・トリスナワティ)

(インドネシア)

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