大阪・関西万博を契機に、英国のイノベーション中心地テムズバレー地域の魅力紹介イベントを開催

(日本、英国)

大阪本部海外ビジネス推進課

2025年08月08日

英国テムズバレー商工会議所連合(TVCC)は729日、大阪・関西万博を契機に大阪商工会議所と共催で、英国のイノベーションの中心地であるテムズバレー(TV)地域の概要と魅力を紹介するウェビナー開催した。

ウェビナーではまず、TVCCジャパンデスク代表の江口・ベイコン昌子氏がTV地域の概要を紹介した。TVは、ロンドン西部テムズ川沿いの地域で「欧州におけるシリコンバレー」と呼ばれており、技術系イノベーションが盛んなところであると述べた。ロンドン、オックスフォード、ケンブリッジに挟まれた三角地帯で、ロンドンに次いで経済発展が速く、英国における「ターボエコノミー経済圏」といわれている。特に強い産業領域は、a.データサイエンス〔人工知能(AI)、サイバーセキュリティー、クラウドコンピューティング〕、b.先端工学・製造業(宇宙関連技術、自動車・モータースポーツ、量子コンピューティング研究)、c.ライフサイエンス・医療技術(バイオテクノロジー、製薬研究開発、医療機器・ヘルステック)の3分野で、これらに関する研究開発を行う多国籍企業の欧州拠点が数多く立地していると述べた。

加えて、英国におけるイノベーションの特徴に触れ、「英国はゼロからの創造が得意である。一方、日本企業はすでにあるアイデアに基づき、拡大させていくことが得意であるので、日英は補完関係が構築できる」と指摘した。また、TVと関西地域とのかかわりは、過去10年以上続いており、経済交流使節団(トレードミッション)を複数回派遣しているほか、両地域企業の協業と投資促進、イノベーション分野における知識技術交流の活性化、人材交流の促進、研究機関大学間の学術連携強化などを行っていると述べた。

ハーウェル科学イノベーションキャンパスのデビッド・ウィリアムス営業部長は、TVにおけるイノベーションハブの1つである「ハーウェル・キャンパス」の概要について説明した。ハーウェルは、上記の三角地帯に近接している、英国最大規模のサイエンスキャンパスであると紹介した。宇宙、量子コンピューティング、ヘルスケア、エネルギーの4分野に力をいれており、多数の国の研究機関のほか、250社を超える企業、起業家、ベンチャーキャピタル(VC)が集積している。航空・宇宙・防衛、サイバーセキュリティー、バイオなどの研究が行われており、アストロスケール(注)を代表とする日本企業による共同研究が行われていると説明した。

なお、本イベントは、94日に開催される大阪・関西万博関連ビジネスイベント「英国デー」にTVCCミッション団が参加することに先駆けて実施したものだ。

(注)スペースデブリの除去を含む軌道上サービスを提供する日本のベンチャー企業。

(齋藤寛)

(日本、英国)

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