インド繊維省、繊維製品分野の生産連動型奨励制度(PLI)の募集再開
(インド)
ニューデリー発
2025年08月15日
インド繊維省は8月8日、繊維製品分野に関する生産連動型奨励策(PLI)について、新たに募集を行うと発表した。募集締め切りは8月31日で、繊維製品分野のPLIはこれまで2回の公募が行われ、今回が3回目の公募となる。
制度の内容は従前から変更はない。対象製品は、(1)化学繊維(人造繊維)衣類、(2)同織物、(3)工業用繊維品で、一定の基準を満たすことにより、年度ごとの売上高増加分(対前年度)に一定割合を掛けた額のインセンティブを付与する仕組みとなっている(2023年11月9日記事参照)。
PLIでは、同分野に5年間で総額1,068億3,000万ルピー(約1,816億1,100万円、1ルピー=約1.7円)の予算を計上している。繊維省によると、これまでに74件の投資案件の申請を認定しおり、総額2,871億1,000万ルピーの投資で、2兆1,676億ルピーの売上高と25万9,164人の新規雇用を見込む(8月13日時点)。なお、PLI第1次募集時点の投資額上位州は、マディヤ・プラデシュ州、グジャラート州、マハーラーシュトラ州、ゴア州、カルナータカ州となっている(2025年3月のジェトロ調査レポート参照(2.7MB))。
インドの繊維産業は、輸出面では世界第6位、雇用面でも4,500万人以上の直接雇用、1億人以上の間接雇用を創出するなど、インドの経済成長にとって大きな役割を果たしている。昨今の原材料価格の変動やさらなる競争力強化に向けて、政府は2025年2月に発表した2025年度(2025年4月~2026年3月)の国家予算案(2025年2月25日記事参照)で、繊維省予算を2024度の約442億ルピーから約527億ルピーに増額している。
(花村大樹)
(インド)
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