カナダ中銀、政策金利を2.75%に据え置き、3会合連続
(カナダ)
トロント発
2025年08月06日
カナダ中央銀行は7月30日、政策金利を2.75%に据え置くと発表した(政策金利レート推移参照
)。金利の据え置きは前回に続いて3会合連続になる(2025年6月6日記事参照)。経済見通しを示す金融政策報告書
も併せて発表した。
中銀は政策金利据え置き決定の理由として、主に次の3つの要因を挙げた。
- 米国による対カナダ関税を巡る不確実性は依然として高く、両国間では協議が継続しているものの、米国の政策は依然として予測困難な状況にある。
- 米国の関税措置が貿易に混乱をもたらしている一方で、カナダ経済は現時点では一定の回復力を維持している。
- インフレ率は中銀目標の2%に近づきつつあるものの、基調的なインフレ圧力の兆候は依然として残っている。
こうした背景を踏まえ、中銀は政策金利を据え置くとともに、今後も慎重な金融政策運営を継続する方針を打ち出した。また、米国の関税政策がカナダ製品の需要に与える影響の注視と、企業の設備投資や個人消費、雇用への波及の懸念を示した。加えて、国内景気の減速によるインフレ率の低下傾向が貿易の混乱による物価上昇圧力を上回る可能性もあり、状況次第では追加利下げの余地があると言及した。
発表を受けて同日、トロント・ドミニオン銀行の調査部門TDエコノミクスのディレクター兼シニアエコノミストのアンドリュー・ヘンシック氏は、中銀は依然として経済指標重視の姿勢を維持しており、経済の進展が現状と後退シナリオの中間に落ち着く可能性が高いと分析している。また、同氏は「インフレは当面抑制される見通しで、第3~4四半期(7~12月)の成長回復の度合いが焦点となる。供給過剰の進行によって利下げの余地は残るが、政策金利が中立水準の下限(2.25%)を下回る可能性は低い」と述べた。(TDエコノミクス7月30日)
中銀の次回の政策金利の発表は9月17日に予定されている。
(井口まゆ子)
(カナダ)
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