ジェトロ、ベトナム南部のメコンデルタ地域のカントー大学を紹介

(ベトナム)

ホーチミン発

2025年08月05日

ジェトロは722日、ベトナム南部のメコンデルタ地域最大の国立大学であるカントー大学外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますCTU、注1)を紹介するオンラインセミナーを開催した。イベントには、日本の建設、情報処理サービス・IT、コンサルティング会社などを中心に計137人が参加した。同イベントは、日本企業と海外の有力大学との接点を創出し、海外の高度人材の獲得や協業の可能性を広げることを目的とした「JETRO Overseas University Connect」の一環として行われた。

カントー大学は1966年に設立された国立総合大学で、学生数は46,000人を超える。農業工学、IT、食品加工、化学などを含む16の学科に加え、専門の研究機関として、「バイオテクノロジー・食品研究」「メコンデルタ開発研究」「気候変動研究」の3つの研究所を設置している。大学には180の実験室があり、そのうち、国際協力機構(JICA)の円借款事業「カントー大学強化事業」により、最新の設備が整備された74の実験室があり、現在も技術協力プロジェクト(注2)が続けられている。CTUでは、日本留学を経験した講師が131人おり、全校の講師数の12%にあたる。60社以上の日本企業と提携し、採用、インターンシップ、企業の要望に応じた人材育成研修、応用研究に協力している。2015年以降、CTUから500人以上の学生が工学・技術、情報通信技術(ICT)、ハイテク農業などの分野の日本企業で採用されており、採用人数はますます増えている、とレー・バン・ラム副学長は話した。

イベントでは、参加した企業から、「大学を見学したい」「海外市場で活躍できる高度外国人材を採用して日本国内での育成を検討したい」などの声があった。また、ジェトロ・ホーチミン事務所の岡部光利所長は、近年、優秀人材の確保のため、企業が早期に現地大学との関係を築くことは、採用や共同研究だけでなく、中長期的な人材戦略や、グローバル競争力の強化にも直結する重要な取り組みだと強調した。

写真 レー・バン・ラム副学長のあいさつの様子(ジェトロ撮影)

レー・バン・ラム副学長のあいさつの様子(ジェトロ撮影)

写真 カントー大学の紹介(ジェトロ撮影)

カントー大学の紹介(ジェトロ撮影)

(注1)カントー大学(CTU:Can Tho University)は、ベトナム南部のメコンデルタ地域における産業・最先端の技術研究の中核を担っている国立大学。

(注2)JICAの実施する技術協力プロジェクトは、専門家の派遣、必要な機材の供与などを通じて、開発途上国の経済・社会を支援する取り組み(JICAのプロジェクトウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照)。

(ダン・ティ・ゴック・スオン)

(ベトナム)

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