東芝電力流通システムインド、ハイデラバード工場で生産拡張の式典を開催

(インド、日本)

ベンガルール発

2025年08月13日

東芝電力流通システムインド(TTDI:Toshiba Transmission & Distribution Systems India)は8月8日、インド南部テランガナ州のハイデラバード工場で、電力用変圧器新試験棟工事エリアでの起工式典と変圧器の鉄心に使用する電磁鋼板工場および避雷器製造工場の開所式典を開催した。

TTDIのハイデラバード工場では、国内外の電力関連会社や受配電設備メーカーなどに向けた変圧器、開閉装置、避雷器などの送配電製品の設計・開発・製造・販売を手掛けている。現在、世界的な再生可能エネルギーの導入拡大、生成AI(人工知能)の急速な普及拡大期待によるデータセンターの開設、バッテリーストレージシステム導入拡大などを背景に、インド内外で変圧器の需要が高まっており、TTDIの販売は国内に加え欧州などを中心に海外向けも伸びている。今回の生産施設の拡張は、こうした国内外での販売拡大を背景に行われたものだ。

式典には、テランガナ州のD・スリダ・バブ情報技術・電子通信・商工業・立法相、ガッダム・ビベーク・ベンカット・スワミー労働・雇用・研修・工場・鉱業・地質相、サンジェイ・クマール特別首席次官(情報技術・電子通信・商工業担当)らが出席した。

セレモニーでTTDIの古田宏会長兼社長は「東芝が2013年にTTDIを設立して以来、TTDIは地域の雇用を創出するだけでなく、州の経済成長にも貢献する新技術導入にも投資を行ってきた。今回の投資により、変電所の主要機器である変圧器、開閉装置、避雷器を1地点の工場で製造することが可能となり、テランガナ州および南インド地域で最大規模の送配電機器製造工場となる。今後も送配電事業の拡大を通じ、地域の成長と発展を促進するため、継続的な協力を行っていく」と述べ、地域住民への雇用創出を含めた地域貢献についてコメントした。

TTDIは今回の式典に先立ち、2025年4月にテランガナ州政府と同州工場の生産能力の拡大に向け100億円の投資に関する覚書を締結しており、今回の生産施設の拡張も同覚書に基づいて行われた。現在、TTDIは5,500人以上のインド人スタッフを雇用しており、今回の拡大に伴い、さらなる雇用の創出やスタッフの技術能力向上について、テランガナ州政府からの期待が高まっている。

写真 古田宏TTDI会長兼社長(左端)などが出席した生産拡張式典の様子(ジェトロ撮影)

古田宏TTDI会長兼社長(左端)などが出席した生産拡張式典の様子(ジェトロ撮影)

(水谷俊博)

(インド、日本)

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