過去最大規模のTECH BEAT Shizuoka、浜松発スタートアップのセッションをジェトロが主催

(日本、世界)

浜松発

2025年08月01日

静岡県と静岡銀行などが共催した「TECH BEAT Shizuoka」が72426日、静岡市のグランシップで開催された。国内外のスタートアップと地域企業とのマッチングを通じた新事業の創出や、地域産業の活性化を目指したイベントで、過去最多の178社が出展し、来場者数は延べ1万人を超えた。各スタートアップの展示に加え、基調講演やトークセッションも多数実施され、地域課題に対するテクノロジーの活用や共創の可能性を探る場となった。

このイベントには、静岡県と友好提携を結んでいるインド・グジャラート州や中国・浙江省をはじめ、米国、韓国からも海外スタートアップが参加した。また、参加企業の分野もアグリテックや医療・介護、製造・ロボティクス、物流・モビリティーなど多分野にわたる構成となった。スタートアップ支援機関や大学、大企業など、地域のエコシステムを構成する多様なプレーヤーも出展した。会期中は活発な商談や、オープンイノベーションを見据えた意見交換が数多く行われ、参加者からは、「自社製品に関心を持ってくれる企業と出会えた」「前年の出展時に比べて会場に人が多く、自社ブースへの訪問客も増えた」など、イベントの盛り上がりを評価する声が寄せられた。

写真 出展したスタートアップのブース(ジェトロ撮影)

出展したスタートアップのブース(ジェトロ撮影)

ジェトロは会期中、パネルディスカッション「Beyond borders, Go GLOBAL!~世界に挑むスタートアップが語る海外展開のリアル」を開催した。登壇したのは、静岡県浜松市でスタートアップを創業しているフィグメント代表取締役・甲斐暁子氏、ソコラボ代表取締役の奈良晃寛氏、ZeroOne代表取締役兼最高経営責任者(CEO)の内山隆史氏、Magic Shields代表取締役の下村明司氏の4人で、いずれもジェトロのスタートアップ支援プログラムで海外渡航を経験しており、プログラムを通じて得た実体験や海外展開の課題、成功の要因について率直に語った。

内山氏はプログラム参加を通じて「創業当初からグローバル市場を意識するマインドセットが形成された」と強調した。プログラム参加後にはジェトロが出展支援をするシンガポールのテックイベントSWITCHに出展して、インドのスタートアップとの技術連携に成功し、より広い顧客層に対応するサービスの開発につながったとして、自社の事例を紹介した。今回のセッションを通じて、静岡発スタートアップが海外市場へ果敢に挑む様子が示されるとともに、国境を越えた技術連携が事業の可能性をさらに広げられることを示した。

写真 パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

(杉山希実)

(日本、世界)

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