李在明政権、国政運営の青写真を発表
(韓国)
ソウル発
2025年08月14日
韓国大統領直属の国政企画委員会(注)は8月13日、李在明(イ・ジェミョン)政権の国政運営の青写真である「国政運営5カ年計画(案)」を発表した。同計画は、国家ビジョンと3大国政原則、5大国政目標、123大国政課題、財政支援計画などで構成される。
国家ビジョンとしては、「国民が主人の国、ともに幸せな大韓民国」が提示された。ついで、3大国政原則としては、「傾聴と統合」「公正と信頼」「実用と成果」が設定された。さらに、5大国政目標としては、「国民と1つになる政治」「世界をリードする革新経済」「皆が豊かになる均衡成長」「基本が堅固な社会」「国益中心の外交安保」が定められた。5大国政目標の下で、23大推進戦略、123大国政課題が推進されることになる。
5大国政目標の詳細は次のとおり。
- 国民が1つになる政治:権力機関を国民の元に戻す改革を完成し、分裂と対立がまん延した韓国を傾聴と疎通をベースに全ての人の共同体に統合する。
- 世界をリードする革新経済:AI(人工知能)・バイオなどの未来新産業を育成することで、低成長の危機を克服し、持続可能なエネルギー転換を通じ、韓国経済の再跳躍を図る。
- 全ての人が豊かになる均衡成長:地域・階層間の不平等を解消し、首都圏と地方、大企業と中小企業、労働者と経営者がともに成長できる「自治分権ベースの均衡成長国家」を実現する。
- 基本が堅固な社会:基本的な生活のために所得・住居・医療・ケアが保障され、安全で尊重される社会環境の下で、全ての人が創意的文化を享受し、個々人の可能性が実現できる社会を作る。
- 国益中心の外交安保:堅固な韓米同盟と精鋭な軍事力をベースに、朝鮮半島の平和定着と国益最優先の実用外交を通じ、国際社会問題をリードするグローバルリーダーに跳躍する。
なお、国政企画委員会は、李政権の国政哲学を集約的に実現する「12大重点戦略課題」(添付資料表参照)も提示した。同戦略課題は、国民的関心が高く、成果の体感効果が大きいコアの課題で、政策需要者の観点から国政課題を再構造化したものだ。
「国政運営5カ年計画(案)」は、政府の最終検討および国務会議(日本の閣議に相当)を経て最終確定する予定。
(注)前任大統領の弾劾により早期に大統領選挙が行われ、当選の翌日から大統領職務を遂行したため、前政権からの引き継ぎができなかった。そこで、国政企画委員会を発足し、国政計画を策定した。
(李海昌)
(韓国)
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