7月のインド自動車販売は緩やかな伸び、三輪車は過去最高を記録

(インド)

ベンガルール発

2025年08月28日

インド自動車工業会(SIAM)は8月14日、2025年7月の自動車統計(出荷ベース)を発表した。7月単月の乗用車〔多目的車(UV)とバンを含む〕の国内販売台数は前年同月比1.5%増の30万1,251台で、6月のマイナス成長(6.3%減)から回復の兆しが見られた(添付資料表1、表2参照)。セグメント別では、UVとバンがそれぞれ2.4%増、3.6%増と堅調だった一方、一般乗用車は0.5%減と微減だった。なお、表1の数字には含まれていないが、地場タタ・モーターズを含めると、7月の乗用車販売台数は34万772台に上る(注)。

SIAMのラジェシュ・メノン事務局長は「すべての車両セグメントが安定したパフォーマンスを示した。乗用車はやや低調だったが、三輪車は7月として過去最高の販売台数を記録した」と評価した上で、今後数カ月の見込みとして「8月後半からのオナム祭を皮切りに祝祭シーズンが始まることで、今後の需要回復に期待している」と述べた。

三輪車の7月単月の国内販売台数は前年同月比17.5%増の6万9,403台で、7月としては過去最高となった(添付資料表1参照)。二輪車は8.7%増の156万7,267台で、中でもスクーターが16.2%増の64万3,169台と最も高い伸びを示した一方、オートバイは4.7%増にとどまり、モペッドは9.5%減と明暗が分かれた。

メーカー別の乗用車販売では、マルチ・スズキが引き続き首位を維持しているが、販売台数は前年同月比0.2%増の13万7,776台と横ばいで推移している(添付資料表2参照)。一方で、2位のマヒンドラ&マヒンドラは19.8%増と大きく伸びた。最も高い伸びを示したのはシュコダ・オートで、前年同月の2.6倍の5,554台だった。統計には含まれていないタタ・モーターズは、電気自動車(EV)を含め、12.0%減の3万9,521台で4位相当だった(同社発表)。

また、二輪車部門では、ホンダが前年同月比6.2%増の46万6,331台で首位に転じた。ヒーローは18.7%増の41万2,397台で2位、TVSモーターは21.4%増の30万8,720台で3位につけ、いずれも2桁成長となった(添付資料表3参照)。

(注)タタ・モーターズの販売台数は単月の乗用車販売台数のみ公開。自動車販売台数全体とセグメント別、メーカー別、車種別、二輪車、三輪車統計には含まれない。

(小柴里沙)

(インド)

ビジネス短信 9f11ab21a86b16d1