第2四半期のGDP成長率は前年同期比3.1%、好調維持

(チリ)

調査部米州課

2025年08月20日

チリ中央銀行は8月18日、2025年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率は前年同期比3.1%だったと発表した。

第1四半期(1~3月、前年同期比2.5%成長)に続いて高い成長率を記録した要因として、需要項目別では内需、特に民間消費と投資の伸長が挙げられる(添付資料表1参照)。民間消費は3.1%増で、非耐久消費財(主に衣服、食品、医薬品)、耐久消費材(特に携帯電話)、サービス(健康関連、レストラン・ホテル、交通など)で消費が増加した。総固定資本形成のうち設備投資は11.4%を記録した。主に輸送用機器や産業用機械への投資によるものだ。そのほか、政府消費は健康関連サービスの増加で2.6%増だった。輸出は銅と食品の増加で5.4%増、輸入は設備投資増加の要因にも合致する産業用機械や輸送用機器の増加で14.6%だった。

経済活動別に見ると、個人サービス(前年同期比5.0%増、寄与率25.0%)、商業(3.9%増、12.4%)、製造業(3.7%増、10.9%)が主に成長に寄与した(添付資料表2参照)。個人サービスは健康関連サービスや教育サービス、商業は小売りの伸びによるところが大きかった。製造業も、飲料・たばこを除くほぼ全ての業種でプラスを記録し、特に食品製造業が好調だった。主要産業の鉱業も、主に銅の増産により、4.0%増だった。

財務省が公表している2025年のGDP成長率予測は2.5%だったが、第2四半期の市場の予想をも上回る高成長率を受け、マリオ・マルセル財務相は上方修正を行う可能性を示唆した。

(佐藤輝美)

(チリ)

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