TICAD9と万博ナショナルデーを契機にセネガル・ビジネスフォーラムを開催

(セネガル、日本)

調査部調査企画課

2025年08月28日

ジェトロは8月25日、セネガル政府と共催で「セネガル・ビジネスフォーラム」を開催した。セネガルからは第9回アフリカ開発会議(TICAD9)に合わせて来日したバシル・ジョマイ・ジャファール・ファイ大統領のほか、セリニュ・ゲイ・ジョップ産業・通商相やセネガル企業連合国際関係代表のババ・ダンディアン氏らが登壇し、日本からの投資を呼び込んだ。セネガル企業37社も参加した。また、日本側からは、ジェトロの石黒憲彦理事長がセネガルの有望企業の成長のため、日本企業とのビジネスマッチングに取り組むとしたほか、松本正義関西経済連合会長やセネガルに進出する日本企業も登壇した。

写真 ジェトロの石黒憲彦理事長のあいさつ(ジェトロ撮影)

ジェトロの石黒憲彦理事長のあいさつ(ジェトロ撮影)

ファイ大統領は、エネルギーや農業、インフラなど多くの分野で日本企業と協働できるとした。その上で、投資環境の整備について、セネガル投資促進・公共事業公社(APIX)の設立を挙げ、長期国家戦略「セネガル2050」に基づき、国際的に安全で魅力的な投資環境を約束した。バガリ・セガ・バチェリAPIX総裁は、同国の投資機会とビジネス環境を説明し、日本とセネガルの2024年の貿易総額は約1億7,180万ドル、2018~2025年の間の日本からセネガルへの直接投資額は2,756万ドルで、主な投資分野は鉱業、トマトなど農業・加工産業とした。

写真 バシル・ジョマイ・ジャファール・ファイ大統領のあいさつ(ジェトロ撮影)

バシル・ジョマイ・ジャファール・ファイ大統領のあいさつ(ジェトロ撮影)

写真 記念撮影の様子(ジェトロ撮影)

記念撮影の様子(ジェトロ撮影)

また、2つのパネルディスカッションも行われた。1つ目は、セネガルへの投資をテーマに同国の政府関係者と三菱商事、豊田通商が登壇した。セネガル政府関係者らは、石油や天然ガスなどの精製と輸出に意欲を示すとともに、日本企業に対して、リン酸の精製における合弁事業の立ち上げへの期待を示した。三菱商事はセネガルでの取り組みを紹介し、アンモニア、尿素肥料・メタノール併産プラント事業と優良ベンチャーへの投資を重要視しているとした。

写真 パネルディスカッション1の様子(ジェトロ撮影)

パネルディスカッション1の様子(ジェトロ撮影)

続くパネルでは、西アフリカへの玄関口としてのセネガルに焦点が置かれた。代理店ビジネスをアフリカで展開しているコマツは、セネガルを周辺国へのビジネス展開のハブとして位置付けた。加えて、すでに同国において300台以上の機械がインフラ整備や鉱山で活用されていると紹介した。セネガルで活動するシュークルキューブジャポンとTUMIQUI Japonの登壇者からは、太陽光発電を利用した保健、教育、食品分野でのビジネスの紹介があった。

(小林美晴、加藤皓人)

(セネガル、日本)

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