東風汽車が香港上場を廃止、同社傘下の嵐図汽車が上場へ

(中国、香港)

武漢発

2025年08月29日

中国の湖北省武漢市に本社を構える東風汽車集団股份(以下「東風汽車」、注1)は8月22日、東風汽車集団などとの連名の公告を発表し、香港証券取引所(HKEX)での上場を廃止すると発表した。同時に、東風汽車が保有する新エネルギー車(NEV)メーカーの嵐図汽車(VOYAH)をHKEXに「紹介方式(注2)」で上場させると発表した。

発表公告によると、東風汽車集団の100%出資子会社である東風汽車集団(武漢)投資は、東風汽車の全株主より同社の株式を取得して吸収合併をしたうえで、東風汽車の上場取り消しを申請する。同時に、東風汽車が保有していた嵐図汽車の株式を、既存の東風汽車に出資していた株主へ分配し、嵐図汽車の上場も申請する計画だ(注3)。

今回の背景について東風汽車は、近年の業界の変化や競争激化などにより、東風汽車の業績が予想を下回っている一方、嵐図汽車の業績は好調で、急速かつ著しく改善したと説明した。そして、今回の東風汽車の上場廃止ならびに嵐図汽車上場の意義について、東風汽車集団は、NEV事業の発展に注力し、戦略的な新興産業に良質な資源を集中できると同時に、嵐図汽車の上場によるブランド力の向上や、株主への長期的かつ持続可能な投資価値の提供にもつながるとしている。

東風汽車の2025年中期業績公告によると、2025年上半期の営業利益は前年同期比約92%減の5,500万元(約11億5,500万円、1元=約21円)となった。業績変動の主要因として、合弁事業における乗用車の販売台数や利益が減少した点や、競争激化の中で研究開発費やブランド構築、マーケティングに関わる投資が拡大した点を挙げている。

一方で、嵐図汽車の販売台数は増加しており、2025年1~7月の販売台数は前年同期比88%増の6万8,263台に達した。東風汽車の2025年上半期の売上高は545億3,300万元、うち乗用車の販売による収入は前年同期比17.3%増の252億7,900億元だったが、販売収入増加の主要因は、嵐図汽車の業績によるものと分析している。

(注1)東風汽車集団が出資。HKEXにも上場し、資金調達を行っていた。嵐図汽車を傘下に有していた。

(注2)紹介方式とは、上場時に新しく株式を発行することなく、すでに発行されている株式を用いて上場申請することで、上場を果たす方法。

(注3)東風汽車集団(武漢)投資は、東風汽車の株主に対して1株当たり6.68香港ドル(約127円、1香港ドル=約19円)で買い付けを行い、嵐図汽車の株式は1株当たり香港上場株0.3552608株を分配する。

(廣田瑞生)

(中国、香港)

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