国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)、TikTok Shopと意見交換会を実施
(ASEAN、インドネシア、日本)
知的資産部知的財産課
2025年08月18日
ジェトロが事務局を務める国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)のインターネットプロジェクトチームとアジア大洋州プロジェクトチーム(注1)は7月17日、東京のジェトロ本部で電子商取引(EC)プラットフォームのTikTok Shop(注2)との意見交換会を開催した。IIPPFの参加企業・団体から対面で11人、オンラインで26人が参加した。
TikTok Shopは、2025年6月30日に日本でサービスが開始された。TikTokのショート動画やライブ配信から商品詳細ページに移行し、商品の価格や説明を閲覧して注文することで、TikTokのアプリ内で買い物を完結する機能を持つ。
意見交換会では、TikTok Shopの知的財産保護担当者が知財保護の戦略について説明したほか、ブランド権利者の質問に回答した。
TikTok Shopには、「知財保護センター」という権利者向けプラットフォームがあり、権利者はユーザーアカウントを作成し、自らの知的財産を登録できる。権利者が自社ブランドの権利を侵害している出品を発見した場合、知財保護センターを通じて、出店者やショップの情報、知財権侵害であることを裏付ける証拠を、TikTok Shopに提供し、通報を行うことができる。TikTok Shopの知財保護チームは、権利者から侵害を立証するのに十分な情報が提供されていると判断した場合、出店者に権利侵害を通知し、商品の出品を停止する仕組みという。
TikTok Shopのインドネシア事業は、1月から地場ECのトコペディアに統合されている。今回の意見交換会では、トコペディアの知財保護体制についても言及された。トコペディアはTikTok Shopと異なる知財保護のプラットフォームを有し、同プラットフォームを通じて権利侵害の通報が可能だ。今後は両者のプラットフォームで知財保護のシステムも統一する方向性だ、という説明があった。
意見交換会の最後には、IIPPFインターネットプロジェクトチームとTikTok Shopが、今後の知財保護に関する協力体制を構築する旨の覚書に双方の代表が調印した。
意見交換会の様子(ジェトロ撮影)
覚書調印後の記念撮影の様子(ジェトロ撮影)
(注1)IIPPFは2002年4月に、模倣品・海賊版などの海外での知的財産権侵害問題の解決に意欲を有する企業・団体によって設立され、2025年6月時点で212社・72団体が参加している。海外の政府機関や海外ECプラットフォーマーなどとの意見交換会を実施する地域・分野別のプロジェクトチームがあり、インターネットプロジェクトチームはインターネット上の知的財産権侵害に関して調査・研究を行い、アジア大洋州プロジェクトチームはASEAN、インドなど特定の地域の模倣品対策に取り組む。
(注2)TikTokのEC機能であり、ショッピング機能付きのショッピング動画、ショッピングLIVE配信、ショーケース、ショップタブといった、TikTokアプリ上で直接買い物ができる機能を備えている。2025年6月30日時点で、日本含め世界17カ国でリリースされている。
(泉高晟)
(ASEAN、インドネシア、日本)
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