上海で中国国際ゲーム開発者大会が初開催

(中国、日本)

上海発

2025年08月07日

中国上海市で7月31日に「中国国際ゲーム開発者大会」が初めて開催された。中国音像数字出版協会と上海市虹口区政府が主催し、中国の政府関連部門や、国内外のゲーム開発企業、業界専門家、各国領事館や経済団体などが参加した。

大会で発表された「2025年1~6月中国ゲーム産業報告」によると、同年上半期(1~6月)の中国国内ゲーム市場の実質売上高は前年同期比14.1%増の1,680億元(約3兆5,280億円、1元=約21円)で、過去最高となった。中国のゲームユーザー数は約6億7,900万人に達し、前年同期比0.7%増で、これも過去最高記録を更新した。中国で自主開発されたモバイルゲームの海外市場での売上高について、地域別でみると、日本が16.2%を占めており、依然として主要な海外市場となっている。

大会では、上海の投資機関などが「上海ゲーム産業特別基金」を設立することを発表した。また、「ゲーム海外展開研究・サービスセンター」開設のほか、中国のゲーム関連企業の海外展開の指針や、主要な海外展開先の北米や日本、欧州などの情報を掲載した「中国ゲーム海外展開ガイド」を順次出版することも発表された。

大会では英国の上海総領事館や、フランス対外文化教育局、韓国文化産業振興院などが各国のゲーム産業の取り組みについて講演を行った。日本からは、ジェトロ上海事務所の髙村大輔次長が「日本コンテンツを世界へ」と題して講演し、日本のコンテンツ産業の概況や日本のコンテンツ産業支援方針などを説明した。

ジェトロは同日に別会場で、「中日ゲーム企業交流セッション」を中国音像・デジタル出版協会ゲーム出版業務委員会と共催した。ジェトロ北京事務所の森永正裕次長があいさつし、日本のゲーム市場について紹介した。また、立命館大学映像学部の中村彰憲教授が日中ゲーム産業の交流史や今後の展望について、角川アスキー総合研究所ファミ通白書編集部の上床光信氏が日本のゲーム産業の現状と展望について、それぞれ説明した。また、グラティーク、松竹、SNK、サイバーエージェントなど、日本のゲーム開発企業や中国の関連企業が講演を行い、各企業の中国や日本での事業展開などについて紹介した。

写真 中国国際ゲーム開発者大会の会場(主催者提供)

中国国際ゲーム開発者大会の会場(主催者提供)

写真 中日ゲーム企業の交流セッション(主催者提供)

中日ゲーム企業の交流セッション(主催者提供)

(余慧玲)

(中国、日本)

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