上半期の新車販売は4.6%減少も、年間予測78万台を据え置き
(マレーシア)
クアラルンプール発
2025年08月08日
マレーシア自動車協会(MAA)は7月16日、2025年上半期(1~6月)の新車販売台数が前年同期比4.6%減の37万3,636台だったと発表した(添付資料表1参照)。内訳は、乗用車が3.0%減の34万7,084台、商用車が21.0%減の2万6,552台でともに落ち込んだ。生産台数は、10.1%減の35万2,626台だった(添付資料表2参照)。
販売減少の要因として、MAAは前年の年間販売台数が81万6,747台と高水準だったことによる「高いベース効果」を挙げた。加えて、2024年6月に、政府がディーゼル燃料補助金を縮小したことも、特に商用車の販売台数減少に影響を与えた要因の1つと分析した。
メーカー別にみると、上半期の販売台数上位5位のうち、5位を除いた4社は2024年上半期と同様だった(添付資料表3、図参照)。販売台数首位は、第2国民車メーカーのプロドゥアで、前年同期比2.2%減の16万6,188台に減少したが、市場シェアの44.5%を占めた。第1国民車メーカーのプロトンは3.2%減の6万9,773台と減少し、市場シェアは18.7%だった。国内国民車メーカー2社が市場全体の63.2%を占め、前年同期比で1.3ポイント増加した。
日系では、トヨタが前年同期比5.4%減の4万4,285台で3位、ホンダが14.0%減の3万3,750台で4位だった。一方、中国自動車メーカーのチェリーの子会社であるJAECOO(ジェイクー)が初めてトップ5位にランクインし、7,450台を売り上げた。
上半期の販売は落ち込んだものの、MAAは2025年通年の総販売台数予測として、2025年1月に発表した78万台という目標を据え置いた。その理由の1つとして、上半期の新車販売台数が予測値の47.9%と、ほぼ半数を達成しているため。さらに、MAAは、国内経済の見通しを踏まえてこの決定を下したとも説明した。米国の関税政策を含め経済環境には多くの不確実性があるものの、複数の調査機関の予測を受け、慎重ながらも、経済の先行きには楽観的な見方を維持している。
(ニサ・モハマド)
(マレーシア)
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