コートジボワール、2027年までに太陽光発電所4基を新設へ
(コートジボワール、アラブ首長国連邦)
アビジャン発
2025年08月18日
コートジボワールのママドゥ・サンガフォワ・クリバリ鉱山・石油・エネルギー相は8月5日、2027年までに4基の太陽光発電所を新設すると発表した。
最大総出力は4基合計で210.3メガワットピーク(MWp)に達する見込みで、約7万世帯分の最大電力消費量に相当する。対象地域の1つである北東部ボンドゥク(50MWp)は、コートジボワール初の太陽光独立系発電事業(IPP事業)だ。2023年に、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに本社を置く再生可能エネルギー企業アメア・パワー(AMEA Power)とコートジボワール政府との間で、同プロジェクトのコンセッション契約および25年間の電力売買契約が調印された(2023年2月9日記事参照)。総事業費は約6,000万ドルで、年間85ギガワット(GWh)以上のクリーンエネルギーを生産し、約35万人分の電力を供給する。
その他、国際金融公社(IFC)が開発途上国で巨大ソーラー発電の普及を図るプログラム、スケーリング・ソーラー(Scaling Solar)の一環として、北西部トゥバ(58.6MWp)と北西部ラボア(49.7MWp)、太陽光発電では国内初のコートジボワール資本によるトンゴン・ソーラープロジェクトの枠組みとして、北部ベンゲ(52MWp)で太陽光発電所がそれぞれ新設される。これらのプロジェクトはすべて、BOOT(Build-Own-Operate and Transfer)方式(注)を採用している。
同プロジェクトは環境面での効果に加え、経済活性化も期待される。発電所建設により、対象地域で直接・間接的に300人以上の雇用が創出される見込みだ。また、クリバリ鉱山・石油・エネルギー相は「これらの取り組みがコートジボワールの国際的な気候変動対策の約束にも合致する」と述べ、包摂的かつ持続可能で価値創出型の成長を目指す姿勢を示した。今回の協定の締結と並行して、既に19件の太陽光発電プロジェクトが進行中で、将来の総設置容量は1,049MWpに達する見込みだ。これに加えて、水力発電所5基(678MWp)とバイオマス発電所4基(165MWp)が進行中または計画されている。こうした大規模投資により、コートジボワールは再生可能エネルギー分野での地域リーダーを目指す。エネルギー主権の確保、国民全体への電力供給、そして気候変動対策へのコミットメントの順守を同時に実現する構えだ。
(注)PFI(Private Finance Initiative:民間資金を活用した社会資本整備)事業者が自ら資金調達を行い、施設を建設し、契約期間にわたり運営・管理を行って、資金回収した後、行政にその施設を移管する事業方式。
(安藤佳耶)
(コートジボワール、アラブ首長国連邦)
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