若手日本酒醸造家の祭典「SAKEJUMP CHINA」、北京で初開催
(中国、日本)
北京発
2025年08月15日
若手日本酒醸造家の祭典「若手の夜明け2025 BEIJING(SAKEJUMP CHINA)」が8月8日から10日にかけて、中国・北京市内の商業施設「POLPAS北辰薈」で開催された。このイベントは、中国で影響力のある都市型カルチャーイベント事業者「伍德吃托克(Woodstock of Eating)」の設立10周年記念イベント「亜奥潮飲節」の一環として、SAKEJUMP CHINA実行委員会がジェトロと共催した。主催者によると、イベント期間中に1万人超が来場し、うち6割以上がこれまで日本酒イベントに参加したことのない消費者だった。
「若手の夜明け~SAKEJUMP~」は2007年に日本で始まった若手醸造家による日本酒イベントで、日本酒と文化を世界に広げる活動を行っているcamo(東京都世田谷区)が2022年9月から企画・運営している。中国での開催は今回が初めてだった。このイベントには、日本から23の酒蔵が参加した(うち6つの酒蔵は中国初進出)。そのうち11の酒蔵では蔵元や杜氏(とうじ)が自ら現地入りし、来場者と直接交流を行った。
主催者は、異業種間のコラボレーションをテーマに、伍德吃托克とタッグを組み、「SAKE×COFFEE」を主軸に据えたユニークな企画を展開した。会場では23の酒蔵の日本酒の試飲だけでなく、約1万種類のコーヒーが提供され、さらに100以上の現地グルメブースや、若手デザイナー20人による作品展示・販売、DJライブパフォーマンスも行われた。5,000平方メートルの会場は日本酒と現代カルチャーが交差する空間へと変貌し、新たな日本酒の魅力を発信する場となった。
SAKEJUMP CHINA実行委員会の李鵬委員長は「今回は、従来の日本酒の消費シーンとは異なる文脈の中で、日本酒の新しい表現を模索しながら、新しい出会いや文化の可能性を探る機会となった。日本酒の初心者から愛好者まで幅広い層にその奥深さを伝えられた」と語った。
また、開催前日の8月7日には、在中国日本大使館で開幕式が開催され、金杉憲治大使が登壇した。金杉大使は、若い世代の力によって新たな顧客層を開拓する挑戦はいかなる分野でも求められている取り組みだと述べた。その上で、日中双方の関係者が協力することにより、新たなチャンスが生まれることへの期待を示すとともに、今後も日中間の飲食文化交流を積極的に支援していく姿勢を示した。
在中国日本大使館での開幕式で鏡開き(右から2人目が金杉大使)(SAKE JUMP CHINA提供)
SAKEJUMP CHINA 2025の会場(ジェトロ撮影)
SAKEJUMP CHINA 2025の会場(伍德吃托克提供)
(王瑩)
(中国、日本)
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