重慶市、「三企」による西部陸海新通道共同建設プロジェクトを発表

(中国)

成都発

2025年08月05日

中国・重慶市の国有資産監督管理委員会は7月10日、国有企業・外資企業・民営企業(三企)による西部陸海新通道(注1)の共同建設プロジェクトに関する商談会を開催した。同商談会では、物流、貿易と産業の融合的な発展に焦点を当て、機会リスト(注2)のプロジェクト36件が発表された。総投資額は700億元(約1兆4,000億円、1元=約20円)を超え、投資誘致予定額は400億元になる。

同プロジェクトにおける、三企の連携事例として、不動産開発・ヘルスケアの領域が挙げられる。総投資額は124億元で、投資誘致予定額は33億元に上る。具体的には、国有企業の重慶市地産集団が、重慶西駅エリアの「駅・都市間連携ならびに産業・都市の統合」プロジェクトを立ち上げ、開発に係る実証実験を行っている。そのほか、重慶市南岸区の観光スポットである弾子石老街のCBD(central business district:中心業務地区)プロジェクト、雲南省の西双版納(シーサンパンナ)・モーハンにおけるヘルスケアセンター開発プロジェクトの推進等が打ち出された。

その他、国有企業の重慶両江投資集団は、両江国際観光リゾートプロジェクト、国際ハイエンド文化・観光IPテーマパークの建設プロジェクトを、投資誘致予定額180億元で推進する予定。また、同じく国有企業の重慶機場集団は重慶臨空経済モデル区の中核エリアで、臨空産業統合サービスプロジェクトならびに航空物流産業プロジェクトを立ち上げ、投資誘致予定額はそれぞれ140億元、42億元とした。

また同日、西部陸海新通道における共同建設プロジェクトの締結式が行われ、30社が総額122億元の契約を締結した。

(注1)主要ルートは、重慶市から貴州省、広西チワン族自治区を経由して、東南アジアへ至るルートと、重慶市から雲南省を経由して、東南アジアへ至るルートがある。その他、重慶市から湖南省を経由するルートや、成都市を起点とするルートもある。

(注2)機会リストとは、成都市が、都市と企業の相互リソース共有・共用を推進するために、オープンかつ統合されたプラットフォームの構築を目的に策定したもので、政府部門や企業のニーズをリスト化したもの。

(曾小桐)

(中国)

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