TICAD9で「日本企業とトルコ企業のアフリカ・第三国ビジネス連携の今」を開催

(トルコ、日本、コートジボワール、インド、アフリカ、中東、欧州、EU)

イスタンブール発

2025年08月27日

ジェトロは8月22日、第9回アフリカ開発会議(TICAD9)に合わせ、アフリカ市場における日本企業とトルコ企業の連携をテーマとしたセミナー「日本企業とトルコ企業のアフリカ・第三国ビジネス連携の今」を開催した。

同セミナーでは、トルコ企業との連携を中心にアフリカ市場における取り組みを進めるトルコ進出日系企業などが登壇した。アフリカ市場を狙う上でのトルコ企業との連携のポイントについて議論が行われた。

ジェトロ・イスタンブール事務所の佐野充明所長は、トルコ企業のアフリカ展開を支えるトルコ政府・関係機関による多岐にわたる支援策や首脳外交、ターキッシュ エアラインズによるアフリカ各都市への直行便就航、アフリカ各国でのトルコ企業の進出事例などを説明した。

三菱商事・トルコ総代表の坂本恭典氏は、同社とトルコのチャルックグループとの、エネルギー、化学などの産業・社会インフラ分野やデジタル分野など協業基盤、アフリカビジネスへの展開例を紹介した。同氏は「トルコ企業はグループ内で複数の事業分野を手掛け、かつ新たな事業領域に展開し成長している企業も多く、トルコ企業の持つ柔軟性と対応・応用・課題解決能力とのシナジー効果をアフリカ市場でさらに生かすことができる」と述べた。

ヤンマーアグリ社長の所司ケマル氏は、最も注力する先の1つとしてアフリカを挙げ、コートジボワール最大手農業会社SIFCAのグループ会社ATC Comafriqueとの、西アフリカ16カ国への事業展開に向けた提携を紹介した。また、「トラクター市場規模世界第4位のトルコから同国製農機の全世界への展開も事例紹介し、食料増産、コメの自給率向上が課題のアフリカで日本やインド、トルコからヤンマーアグリは農業機械を通じて貢献していく」と述べた。

前・商船三井トルコ代表で、現TJエンタープライズ代表の片田聡氏は、トルコの複合企業カラデニズ・ホールディングスとのパートナーシップによる液化天然ガス(LNG)だき発電船事業を紹介した。退役した自動車輸送船と発電船を組み合わせた洋上データセンターの導入計画など、今後、退役船が陸上施設に替わるインフラ施設となる可能性を説明した。同氏は「トルコ企業と進める洋上ごみ回収船事業をはじめ、日本とトルコが異なる強みを持つ海事産業を第三国連携の柱の1つにしたい」との思いを語った。

トルコはトルコ版TICADともいえる「トルコ・アフリカ・ビジネス経済フォーラム」を2016年から隔年で開催しており(2025年7月11日付地域・分析レポート参照)、アフリカとの連携を進めている。次回は2025年10月にイスタンブールで開催外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされる予定だ。

写真 パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

(遠藤誠吾、佐野充明)

(トルコ、日本、コートジボワール、インド、アフリカ、中東、欧州、EU)

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