ウズベキスタン、アフガニスタンへの電力供給に向けた協力強化
(ウズベキスタン、アフガニスタン)
タシケント発
2025年08月26日
ウズベキスタンのジュラベク・ミルザマフムドフ・エネルギー相を団長とする代表団が8月17日にアフガニスタンの首都カブールを訪問した。ウズベキスタンからの電力供給やインフラ整備に向けた合意が行われた。
ウズベキスタン側は、アフガニスタン電力公社(DABS)と4件の協定を締結した。協定には、スルハン(ウズベキスタン)~ダシュト・アルワン(アフガニスタン北部のプリー・フムリ近郊)間の500キロボルト(kV)の送電線、カブール(アフガニスタンの首都)~シェイフ・メスリ(同国東部ナンガルハル州の工業団地)間の220kVの送電線の建設や、カブール近郊にあるアルガンディ変電所の容量拡大などのプロジェクトが盛り込まれている。
ウズベキスタン・エネルギー省の発表(8月18日)によると、これらのプロジェクトの実施は9月6~7日にカブールで開催される国際エネルギー会議に合わせて開始され、2027年第1四半期(1~3月)に完了の予定だ。アフガニスタンのタリバン暫定政権の発表(8月17日)によると、ウズベキスタンは総額2億4,300万ドルを投資する。建設プロジェクトが完了すると、ウズベキスタンから800~1,000メガワット(MW)の電力供給を受けることとなる。
タリバン暫定政権はインフラ整備・電力調達先の多角化を急いでいる。7月にキルギス、タジキスタン、アフガニスタン、パキスタンをつなぐ送電プロジェクト「CASA-1000」(注)のアフガニスタン区間の高圧送電線の敷設を再開した。世界銀行は2021年のタリバン暫定政権樹立を理由に、同プロジェクトへの資金提供を一時停止していたが、2024年2月に資金提供の再開を発表した。世界銀行の資金提供は国外で管理され、タリバン暫定政権が関与しないことが保証される。
DABSのアブドゥルバリ・オマル最高経営責任者(CEO)によると、自国で発電する電力は250MWにすぎず、現状ではトルクメニスタン、イラン、ウズベキスタン、タジキスタンから電力を800MW輸入している(「TOLOニュース」8月11日)。
(注)キルギス、タジキスタンで水力発電された電力のアフガニスタン、パキスタンへの供給を目指す送電計画。4カ国による政府間会議によって運営される。世界銀行などが建設資金の提供を行う。
(ウラジミル・スタノフォフ)
(ウズベキスタン、アフガニスタン)
ビジネス短信 62047f97f480fdfa