イラン、IAEAとの技術協議再開に向けた動き

(イラン、トルコ、英国、フランス、ドイツ)

テヘラン発

2025年08月04日

イランの核問題を巡って、同国と欧州3カ国(英国、フランス、ドイツ)の外務次官級協議が7月25日、トルコのイスタンブールで行われた。国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は、イランがIAEAとの実務者レベルとの協議再開に前向きな姿勢を示していると発表した〔7月25日付イスラーム共和国通信(IRNA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

これに先立ち、イランのカゼム・ガリババディ外務次官は、IAEAの技術チームが今後2~3週間以内にテヘランを訪問し、今後の協力の枠組みについて協議を行う予定と発表した。ただし、今回の訪問では核施設の視察は行わない見通しだ。

ガリババディ氏は「新たな状況下で約束を履行するには、IAEAとの新たな協議が必要で、これは重要なことだ」と述べ、訪問目的は施設の視察ではなく、協議だと強調した。

また、報道では、イラン外交官のコメントとして、ウラン濃縮に関しては自国の必要性に応じて行う方針を示している。さらに、2015年のイラン核合意「包括的共同行動計画(JCPOA)」に参加した欧州3カ国がイランに対する制裁を再開させる「スナップバック(制裁の解除・緩和の取り消し措置)」の発動への懸念を示し、発動に対する反応として、イランが核拡散防止条約(NPT)から脱退する可能性があると警告したと報じている(7月23日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(マティン・バリネジャド)

(イラン、トルコ、英国、フランス、ドイツ)

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