日立エナジー、エーオンと7億ドル規模の契約を発表、ドイツのエネルギー政策・安全保障に貢献へ
(ドイツ、日本)
デュッセルドルフ発
2025年08月18日
日立製作所の子会社の日立エナジーは7月28日、ドイツ電力大手エーオン(E.ON)との間で7億ドル規模の変圧器を供給する契約を締結したと発表した(プレスリリース)。
日立エナジーは、高圧直流送電(HVDC)技術を開発した変圧器分野のマーケットリーダーであり、ドイツ国内8拠点で2,000人超を雇用している。一方のエーオンは、ドイツを代表するエネルギー供給企業として、電力網拡充に伴う長期的な電力需要の増加に対応すべく関連機器の調達を進めている。
ドイツのフリードリヒ・メルツ政権下では、インフラの近代化ならびに気候中立を目的とした特別基金が創設され(2025年3月24日記事参照)、総額5,000億ユーロの予算措置の一部として気候・変革基金(KTF)に1,000億ユーロが追加拠出される予定。ショルツ前政権下では、同基金に対して2024~2027年の4年間で約2,118億ユーロを計上しており、今回の追加拠出でさらなる役割拡大が見込まれる(2023年8月23日記事参照)。
発電と消費の多様化により電力システムは複雑性を増しており、電力網の安定性と強靭(きょうじん)性の向上が急務、と連邦ネットワーク庁は指摘している。日立エナジーは、この度のエーオンとの契約により、ドイツのエネルギー政策ならびにエネルギー安全保障への貢献を表明したかたちだ。
(マリナ・プタキドウ、櫻澤健吾)
(ドイツ、日本)
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