米国による銅製品への追加関税、チリの主要輸出品目は対象外に
(チリ、米国)
調査部米州課
2025年08月01日
チリ政府は7月30日、米国による銅への追加関税措置の対象品目が決まり(2025年7月31日記事参照)、チリから米国への銅カソードなど輸出の多い品目が追加関税の対象外となったことを「朗報」と評価した。
アルベルト・バン・クラベレン外相は「チリから米国への銅関連の主要輸出品目にはほとんど50%の追加関税は課されないことを意味する。チリから米国への銅関連製品の99.9%は銅カソードだ」と説明した。チリ中央銀行が公表する資料によると、2024年のチリから米国への銅カソードの輸出額は58億8,400万ドルで、対米輸出の37.9%を占めた。主要対米輸出品目の中には今回追加関税の対象となった銅線も含まれていたが、2024年の輸出額は7,660万ドルと、全体のわずか0.5%にすぎなかった。
マリオ・マルセル財務相は「今回の決定は、チリが主要な銅の供給国として信頼性があり、品質が高く、透明性のある貿易相手国として、米国の安全保障強化に貢献していることを示している」と述べ、チリだけでなく、米国の製造業にとっても朗報だと評価した。
チリ国営銅公社(CODELCO)のマキシモ・パチェコ総裁も、銅カソードが対象外品目となったことを歓迎し、「チリは米国への銅供給国であり続ける。これはチリ、CODELCO、米国のわれわれの顧客にとっても朗報だ」と述べた。
(佐藤輝美)
(チリ、米国)
ビジネス短信 576cd4e5e09afc3a