米ロサンゼルス、全米最大規模の太陽光・蓄電池プロジェクト完成を発表
(米国)
ロサンゼルス発
2025年08月07日
米国カリフォルニア州ロサンゼルス市のカレン・バス市長(民主党)は8月5日、全米最大規模の太陽光発電と蓄電池を組み合わせた「エランド・ソーラー・プラス・ストレージ・センター・プロジェクト」の完成を発表した。このプロジェクトでは、ロサンゼルスの総エネルギー消費量の7%に相当する26万6,000世帯以上に電力を供給するだけでなく、クリーンエネルギー比率を60%以上に押し上げ、同市が目標に掲げる2035年までに同市の電力を100%クリーンエネルギーで供給するという目標達成に大きく貢献するという。
2019年に同市議会が電力購入契約を承認し、それ以来、同市水道電気局(LADWP)がプロジェクトを進めてきた。太陽光発電・蓄電池が設置されているのは、ロサンゼルス市から北へ約135キロの場所に位置するカーン郡の砂漠地帯で、130万枚の太陽光パネルと172個の蓄電池が置かれている(「マイニュースLA」8月5日)。同プロジェクトの太陽光発電施設は合計400メガワット(MW)を出力し、最大1,200メガワット時(MWh)のエネルギーを蓄電する。日没後に蓄電した太陽光エネルギーを放電することで、太陽光エネルギーが利用できない夕方や夜間のピーク需要に対応する。
また、このプロジェクト完成の記者会見で、LAWDP最高経営責任者(CEO)のジャニス・キノーン氏は「太陽光発電と蓄電のコストが最も低く、利用者の電気料金をより手頃なものにした」と述べたほか、非営利団体のクライメート・リゾルブのエグゼクティブディレクターのジョナサン・パーフリー氏は「今日では太陽光発電は経済的にみて正しい選択となり、石炭や天然ガス、原子力よりも低コストで電力を生産している」とコメントするなど、経済的な優位性が強調されている。プロジェクトによって、25年間の契約期間中、利用者に数億ドルの節約効果をもたらすという。
(堀永卓弘)
(米国)
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