7月の自動車販売・生産台数ともに前年同月比で増加、年間販売予測も楽観視
(中国)
上海発
2025年08月22日
中国自動車工業協会(CAAM)は8月11日、2025年7月の中国自動車販売台数が259万3,000台、生産台数が259万1,000台となり、前月比ではそれぞれ10.7%減、7.3%減だったと発表した。ただし、前年同月比では14.7%増、13.3%増と堅調な伸びを示したほか、1~7月の累計販売台数・生産台数は前年同期比で12.0%増、12.7%増と安定した成長軌道を維持している。
7月の販売台数の内訳は、乗用車が228万7,000台(前年同月比14.7%増)、商用車が30万6,000台(14.1%増)だった。そのうち、新エネルギー車(NEV、注1)は126万2,000台(27.4%増)で、自動車販売台数全体に占める割合は48.7%となった。NEVの販売台数の内訳をみると、バッテリー式電気自動車(BEV)は81万1,000台(47.1%増)と11カ月連続で2桁台の伸び率を記録した。プラグインハイブリッド車(PHEV)は45万1,000台(2.8%増)だった。
2025年1~7月の累計販売台数は1,826万9,000台、累計生産台数は1,823万5,000台だった。販売台数の内訳をみると、乗用車が1,584万1,000台(13.4%増)、商用車が242万8,000台(3.9%増)だった。うちNEVは822万台(38.5%増)で、自動車販売台数全体に占める割合は45.0%と引き続き4割を超えた。
また、同期の自動車輸出台数は368万台(前年同期比12.8%増)で好調を維持した。輸出台数の内訳は、乗用車が310万3.000台(13.3%増)、商用車が57万7,000台(10.2%増)。うち、ガソリン車は237万3,000台(7.0%減)、NEVは130万8,000台(84.6%増)で大幅増となった。
2025年1~7月乗用車の販売台数について、国別にみると、中国ブランドが前年同期比24.4%増の1,087万3,000台だった。これにより、中国ブランドのシェアは68.6%を占め、2024年通年(65.2%)から3.4ポイント上昇した。外資系ブランドのシェアでは、ドイツ系が12.8%、日系が9.6%、米国系が5.9%、韓国系が1.6%だった。
CAAMは7月の自動車業界について、例年のように閑散期に入り、一部のメーカーによる設備の定期メンテナンスが実施されて生産・販売が前月比減となったが、前年同月比では増加したと総括した。その要因として、(1)政府主導の買い替え促進政策が消費者の購買意欲を刺激し続けていること、(2)業界全体の「内巻(注2)」を是正する取り組みが進展し、市場環境が改善していることをあげた。
年間の自動車販売予測について、CAAMの付炳鋒常務副会長兼秘書長は7月に開催された2025年中国自動車フォーラムで「年間を通じた安定成長に完全な自信を持っている」と明言し、業界全体の楽観的な見通しを共有した。また、乗用車市場信息聯席会(CPCA)は8月5日、2025年通年の乗用車販売台数(小売りベース)を2,435万台(前年比6.0%増)と予測し、6月時点の予測台数より30万台上方修正した。
(注1)バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)の総称。
(注2)内巻とは、過度な内部競争や業界内における悪質な競争を指す。
(龐婷婷)
(中国)
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