居酒屋「酔っ手羽」、海外1号店をフィリピンにオープン

(フィリピン、日本)

マニラ発

2025年08月19日

外食事業を手掛けるS.H.N(本社:東京都)は8月1日、フィリピンのマニラ首都圏マカティ市に大衆居酒屋「居酒屋革命 酔っ手羽」の海外1号店をグランドオープンした。同社は2008年に東京で「酔っ手羽」ブランドを創業し、首都圏を中心に現在26店舗展開している。今回のフィリピン進出にあたり、同社は100%出資による現地法人「S.Pダイニンググループ・フィリピン(S.P Dining Group Philippines Inc.)」を設立し、運営を行っている。

フィリピンでは、外資系企業による同国への投資を活発化させることを目的に、2022年1月に改正小売り自由化法が成立し、最低払込資本金や運営店舗の要件などが緩和された(2022年1月13日記事参照)。

写真 店内の様子(S.Pダイニンググループ・フィリピン提供)

店内の様子(S.Pダイニンググループ・フィリピン提供)

ジェトロが担当者にインタビュー(8月1日)したところ、看板メニューの手羽先はオープンまでに試作を重ね、フィリピンの食文化や嗜好(しこう)に合わせた味付けへと調整されたという。そのほか、牛丼や天ぷら、刺し身盛り合わせなど多彩な料理を提供しており、刺し身ではマグロやサーモンに加え、ハマチやサバも人気が高い。

飲み物では、牛乳やアイスクリーム、砂糖などを使った冷たく甘い「シェイク」が特に好評だという。また、ビールやフィリピンならではのかんきつ類の果物(カラマンシー)を使ったハイボールなどのアルコールの種類も豊富で、日本人客からの注文が多い。一方、フィリピンでは食事と酒を別で楽しむ文化があるため、地元客からの注文が少ない。今後は、手羽先と日本酒のセットで売り出すことも検討している。

注文にはQRコードを導入し、サービスの一部をデジタル化している点も特徴だ。フィリピンでは、電話やフェイスブック・メッセンジャーが主要な予約手段として定着しており、予約方法の統一が今後の課題となっている。

写真 看板メニューの手羽先を含む豊富なメニュー(同社提供)

看板メニューの手羽先を含む豊富なメニュー(同社提供)

オープンから約2週間が経過し、連日多くの来店客でにぎわいを見せており、金曜日の夜には店舗外に行列ができるほどだ。担当者によると、地元客、日本人客の双方に定番メニューの「酔っ手羽先」が人気だという。また、地元客には「酔っ手羽牛えのき巻き」や「酔っ手羽牛丼」もよく注文されている。 

(杉山咲)

(フィリピン、日本)

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